『Ｘマジンラー』本拠地、玉座の間・・・

「『陰陽の女神』、月詠・アクランドが『ウェズペリア』に？」

「はい。どうやら多数の仮面ライダーも連れて、訪れているようです。」

その頃、月詠達、『クレアート』又は『ムンドゥス』組が『ウェズペリア』に来ていることを察知した『Ｘマジンラー』では総帥であるカンナギが加頭からそう報告を受けていた。

「如何致しましょうか？総帥。」

「ふむ。あのロストロギアを回収できてない今、奴らに邪魔される訳にはいかん……早急に陽動兼足止め要員の部隊を編成し、向かわせろ。」

「御意。」

「総帥。俺達も行く。」

「『クレアート』の黄金騎士がどんなものか、興味があるわ。」

そう指示を出すカンナギに加頭がそう返事をするなか、ジンガとアミリがそう言う。

「良いだろう。他に行きたい者はいるか？」

そんな二人にそう許可を出しながら、カンナギはそう尋ねる。

「俺も行く。あの女、仮面ライダーメルヒェンもいるからな。」

そんななか、自分の最高傑作を倒したアキに憎悪を抱く、人工キメラ製作者で転生者の少年、御劔（みつるぎ）燐（りん）がそう言いながら、玉座の間に入ってくる。

「燐君……」

「良いだろう。他は？」

「なら、俺も行く。『ムンドゥス』で仕留め損なったからな。」

「俺も行くぜぇ。総帥。そいつらには借りがあるからな。」

そんな燐を見ながら加頭がそう言うなか、そう尋ねるカンナギに対し、零斗とフェニックスもそう言う。

「ふむ。良いだろう。加頭。覇道と『リベンジャー』をロストロギアの回収に向かわせ、クチヒコ・ミミヒコの兄弟も陽動兼足止めの方に向かわせろ……あの兄弟も電王と戦いたがっていたからな……」

「了解しました。ついでに私も大道克巳ともう一度戦いたいのですが……」

「許可しよう。」

「ありがとうございます。」

「何やら行動を起こすようだな……」

カンナギと加頭がそう話をするなか、ガミジンがそう言いながら入ってくる。

「ガミジン……」

「なら、俺達からも人材を派遣しよう……あんたらとの協力関係を信頼してもらう良いチャンスだ……」

「……良いだろう……」

「では、行って参ります。総帥……」

そう言う加頭を始めとする、玉座の間にいた幹部達や燐、ガミジンの七人は玉座の間から出ていく。

「なんか力入れてるみたいだけど、そんなに大事なもんなの？そのロストロギアは……」

その直後、黒髪のポニーテールの女性がそう言いながら、玉座の間に入ってくる。

「貴様か……我々の勧誘を蹴った貴様が何の用だ？」

「別に。ただ暇潰しに来ただけよ。」

「……一応聞くが、手を貸すつもりは？」

「ハッ！！冗談。あの女が絡んでるならともかく、たかが足止めなんかに付き合ってあげる義理もつもりもないわ。」

真剣な表情でそう尋ねるカンナギに対し、女性は両手を上げて肩を竦めながら、小馬鹿にするかのような態度でそう言う。

「そうか……」

「でもまぁ、退屈しのぎに観戦でもさせてもらおうかしらね……フフフ……」

一翔達の友人の一人であるリサに酷似したその女性は邪悪な笑みを浮かべながらそう言った。