サクラが人化してから一週間後、ナカムラ家、特殊訓練場・・・

「「「「「はぁ……はぁ……」」」」」

「ふむ。まだ合格とはいかないが、最初の時より動きが良くなっているな。」

サクラが人化してから一週間後、特殊訓練場で肩で息をしている私、セッテ、サクラ、紫蓮、フィアーの五人に対し、黒髪をうなじで細く纏めた中国人種の男性、リサさんの夫であるヒナタさんの友人の一人、張（チャン・）五飛（ウーフェイ）さんはそう言う。

あ。どーも。今の視点は私、ノゾミ・ナカムラなので悪しからず。

って私はまた誰に説明してるんだろう？

「じゃあ、今日の訓練はここまでだ。せっかくの長期休暇を訓練だけに費やすのも勿体ないからな。」

私がそう思いながら首を傾げるなか、不知火さんはそう言う。

実は今、ゴールデンウィーク中ということで学校は休みだったりします。

因みに私達は先程まで五飛さんから魔法も能力も武器も使わない、組み手といわれる訓練を受けていたところです。はい。

って最近の私、本当に誰に説明してるんだろう？

「やっほぉー。ノゾミちゃん。」

「？アキちゃん？それに月詠さんとマサヒロさんも……」

「久しぶりだね。ノゾミちゃん。」

「久しぶり。」

首を傾げながら、そう思いながらセッテ達と一緒に特殊訓練場から食堂に移動する途中、玄関から異世界、『ムンドゥス』にいる友達のアキちゃんとアキちゃんの義理の両親で使い魔でお父さん達の友人でもある月詠さんとマサヒロさんの三人がそう言いながら入ってくる。

よく見ると、他にエリュトロンさんと竜哉君、麗香ちゃん、タロスズ、ツキト君、映司さん、アンクさん、水無月ちゃんと向こう（ムンドゥス）に行った時には見たことのない茶髪の男の人の計十二人がいる。

・・・結構、大所帯で来ましたね・・・

「お久しぶりです。月詠さん。マサヒロさん。」

「ん。セッテも久しぶり。」

「『ゼウス事件』の時以来だね。」

私がそう思いながら見ているなか、そう言うセッテに対し、月詠さんとマサヒロさんはそう言った。