堕ちた神のダンジョン

カアアアァァァッ!!

ノゾミとセッテがそう思った次の瞬間、コロコロと転がっていた球体から黒い輝きが放たれる。

「マズいな……」

パァァァ

その輝きを見て、蒼牙はそう言いながら自身の能力を使って金のオーロラを出現させ、気絶したルパンも含めた十人全員をダンジョンの外・・・森の中へと脱出させる。

トゥアルの森・・・

ドッカァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!!」

蒼牙の金のオーロラで脱出した直後、ダンジョンやイシイニ洞窟を破壊しながら、封印されていたとある魔物がそう雄叫びを上げながら、身体から先程までルパンを狂化させたのと同じ黒い障気を噴き出しながら目を醒ます。

その魔物は全身を甲羅で包み、尻尾が剣、両手が夢羽の黒狼牙の捕食形態に酷似したものになった漆黒の巨大な蠍のような姿をしていた。

「蒼牙閣下。あれはもしや……」

「あぁ……」

「スサノオだと!?」

「グオオオォォォーーーッ!!」

復活した魔物の容姿について、リヒテル、蒼牙、マコトがそう言うなか、某アラガミに酷似した魔物はそう雄叫びを上げる。

「あれがあのダンジョンに封印されていたもの……」

『マスター。あのダンジョンの壁画にあった古代文章を解析してみたところ、あの魔物の正体がわかりました。』

復活した魔物を見ながら、ノゾミがそう言うなか、エイラがそう言う。

『あれは遠い昔、この地を守護していた武神が人間達の醜い戦争で穢れた大地を浄化するために穢れを吸い続けた成れの果て。己の限界を超えて尚、吸い続けた穢れによって自我を失い、今は『全てを消し去る』という衝動によって突き動かされています。』

「なるほど。つまりは人間が堕としてしまった神ということか。」

「グオオオォォォーーーッ!!」

シュウウウ・・・ッ!!

エイラからの分析結果にリヒテルがそう言うなか、魔物がそう雄叫びを上げながら発した障気によって周辺の木々が枯れていく。

「マズいな。早くあれをなんとかしないとこの森全体が死に絶える。」

「リヒテル。我らの機体であれを止めるぞ。」

「あぁ……」

ポォォォーーーッ×2!!

リヒテルと蒼牙はそう話しながら、マンティスライナーとディラーネライナーを呼び出し、中からガンダムクオリアとドラゴーネガンダム・蒼牙カスタムを取り出し、乗り込んで魔物へと向かう。

「セッテ達は何処か安全な場所まで避難してて……来て!!ピースセラフ!!」

パァァァ

ノゾミもセッテ達にそう言いながら、ドラッド隊支部からピースセラフを強制転移させる形で呼び出し、乗り込んで魔物へと向かう。

こうして堕ちた神と三機のガンダムの戦いが始まった。
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