堕ちた神のダンジョン

「!?AMFだと!?」

「「?AMF?」」

今、古代遺跡ダンジョン内に展開されているのがAMFだということにマコトがそう困惑の声を上げるなか、ヴィオラとエレンは首を傾げながらそう言う。

「あぁ、早い話が魔法を無効化するフィールドエフェクトのようなもんだ。」

「!?」

「魔法を!?」

「あぁ。だから、元は生きた魔法であるルナにとっては結構ヤバいな……」

「ヴィオラ。エレン。マコト。これを。」シュッ!!

「「「!?」」」パシッ!!

驚愕の表情を浮かべながらそう言うヴィオラにマコトが苦い表情をしながらそう説明するなか、セッテは真剣な表情でそう言いながら、デフォルメされた彩夏の夫、秀介の絵が描かれた丸いペンダントを三人に投げ渡す。

「セッテちゃん。このペンダントは?」

「義母さんが作ったAMFを無効化する『AAMF』を自分の周囲に発生させる魔防具だ。それを身に着けてれば、ルナもAMFの影響を受けない。」

「でも、これに描かれているのって彩夏さんのダンナさんだよね……」

「どんだけダンナさんを溺愛してるんだよ。彩夏さん……」

首を傾げながらそう尋ねるヴィオラにセッテがそう説明するなか、エレンとマコトは苦笑いしながらそう言う。

「そういえば、セッテちゃん。セッテちゃんはなんでこの電磁フィールドを使えたの?雷の魔力を使ったこれも魔法みたいなものでしょ?」

「私は戦闘機人だから、AMFの影響を受けないんだ。」

「へぇ~~~」

「しかし、なんでまたAMFが……」

「あぁ~~~、色々と考えたい気持ちはわかるけど、そんな暇、なさそうだぜ?」

ガシャンッ!!・・・ガシャンッ!!

『・・・』

魔防具を身に着けた後、首を傾げながらそう尋ねるヴィオラにセッテがそう説明し、マコトが首を傾げながらそう言うなか、いつの間にか自分の得物である大鎌を取り出し、肩に担いでいたデュアがそう言った次の瞬間、奥の方から先程の魔力弾を放った犯人であろう、所々、苔が付いたゴリラのような体格をした一体の灰色の人形が歩み寄ってくる。

その手には夢羽の黒狼牙と同じように剣形態にも銃形態にも変形可能な灰色の武器を握っている。

「!?神機兵だと!?」

『・・・』ガチャンッ!!

奥の方から現れた人形、神機兵にマコトがそう困惑の声を上げるなか、神機兵は手に持っていた銃形態の専用神機の銃口を向けてくる。

「遅ぇっ!!」

『!?』

ズバァァァンッ!!

が、いつの間にか背後に移動していたデュアの大鎌によって一刀両断にされる。

「悪いな。気付かれることなく、背後に忍び込むのは得意なんでね。」

「デュア。凄く早いね。エレンちゃん。」

「うん。けど……」

「まぁ、一体だけな訳ねぇよな……」

ガシャンッ!!・・・ガシャンッ!!

『・・・』

神機兵を一刀両断した後、そう言うデュアを見て、ヴィオラとエレンがそう言い、マコトがそう言った次の瞬間、奥の方から長刀形態の神機を持った神機兵や銃形態の神機を持った神機兵が歩み寄ってくる。

「どうなってるんだ?この遺跡ダンジョンは……なんでAMFを展開したり、神機兵が出てきたりするんだ?」

「……エイラ。まさか、この遺跡ダンジョンは……」

『いいえ。解析してみたところ、このダンジョンと神機兵、いや、神機兵擬き達は『Xマジンラー』のものではありません。』

自分達に向かってくる神機兵改め神機兵擬き達を見て、マコトが首を傾げながらそう言うなか、そう尋ねるセッテに対し、エイラはそう答える。

『完全に解析できた訳ではありませんのではっきりとは言えませんが、このダンジョンと神機兵擬き達は大昔にいた黒魔術師、クロム・アーサーが何かを封印するため、又はその封印を護るために作り出したものだと思われます。』

次の瞬間、エイラはそう解析結果を報告した。
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