堕ちた神のダンジョン

「「「(°Д°;)」」」

「あぁ、そっか。ただ走って逃げても追っかけてくる濁流は紅之茨で呼び出した炎で蒸発させちまえば良かったんだな。」

「もう。ノゾミ。そういうことは早くやってよ。」

「あはは♪ごめんごめん♪」

先程まで自分達に迫ってきた濁流を一瞬にして蒸発させた地獄の業火を見て、マコト、ヴィオラ、エレンの三人が固まり、デュアは右手の拳で左手の掌を軽く叩きながらそう言うなか、そう言うセッテに対し、ノゾミは笑いながらそう謝罪する。

「ってちょっと待て!!なんだ!?その魔道書は!?」

そんななか、先に覚醒したマコトが紅之茨について、そう尋ねる。

因みに紅之茨は今は閉じた状態でノゾミの近くで浮遊している。

「あぁ、この本は紅之茨って言って、前にお父さん達と一緒に行った異世界、『ムンドゥス』でお父さん達の友達の月詠・アクランドっていう人から貰った神器だよ。」

「神器だと!?」

対するノゾミからの説明を聞いて、マコトはそう困惑の声を上げる。

「セッテちゃんとデュアは知ってたの?」

「私達は家で一回、見せてもらってたから。」

「そうそう♪」

「っていうかさっきから目玉がぎょろぎょろと動いてるんだけど………」

首を傾げながらそう尋ねるヴィオラにセッテとデュアがそう答えるなか、エレンは紅之茨の真ん中の目玉がぎょろぎょろと動いていることについて、そう言う。

「そこは……馴れて。うん……」

対するノゾミは苦笑いしながらそう言う。

「ん?おい。ここから先、道が少し変わってるぞ。」

「本当だ。」

「壁が古代の遺跡のような感じになってる……」

それから三十分後、マコト、ノゾミ、セッテの三人はそう話しながら、先程まで歩いていた無骨な岩の壁の道から古代遺跡のような壁の道にヴィオラ、エレン、デュアの三人と一緒に出る。

【ん?この壁の文字は……】

「どうかした?ルナ。」

【何処かで見たことがあるような……】

実はヴィオラに抱き抱えられる形でついて来ていたルナがそう言った次の瞬間、

ズシィィィンッ!!キイイイィィィッ!!

「「「「「「【!?】」」」」」」

先程まで歩いていた岩の壁の道への出入り口が分厚い岩の壁によって塞がれ、何らかの“結界”のようなものが辺りを包み込む。

「閉じ込められた!?」

「っていうかまだ罠があったの!?」

「今、展開されたのは……まさか」

ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

「「「「「「【!?】」」」」」」

自分達の後ろの道を塞いだ岩の壁を見て、ヴィオラとエレンがそう困惑の声を上げ、展開された“結界”のようなものについて、セッテがそう言うなか、奥の方から十数弾の赤い魔力弾が放たれてくる。

ズガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

次の瞬間、十数弾の魔力弾は全弾命中し、辺りが土煙に包み込まれる。

カァァァ・・・バチッ!!・・・バチッ!!・・・

「皆。大丈夫?」

「うん。皆、無事だよ。セッテ。」

所々、小さな雷を発生させている“障壁”のようなもので十数弾の魔力弾を防いだ後、そう確認をしてくるセッテに対し、ノゾミがそう言う。

「こいつは……まさか、電磁フィールドか!?」

「マグネットパワーで発生させた磁力と雷の魔力で生み出した電気を組み合わせたの。」

「私との訓練の賜物さ。うん♪形成させるスピードも質も良くなってるぜ♪マスター♪」

セッテが展開した“障壁”のようなもの、電磁フィールドを見て、マコトがそう困惑の声を上げるなか、セッテとデュアはそう言う。

「それよりヴィオラ。ルナの具合は大丈夫?」

「え?」

【くっ……】

「!?ルナ!?」

「どうしたの!?」

突然、苦しみだしたルナにヴィオラとエレンはそう尋ねる。

【何故かはわからんが、この“結界”が展開されると同時に我の存在の維持が難しくなってきている……】

「やっぱり……」

「?セッテちゃん。何か知ってるの?」

対するルナからの答えを聞いて、そう言うセッテに対し、ヴィオラはそう尋ねる。

「今、この遺跡ダンジョン内に展開されたのは“結界”じゃない……AMFだ……」

対するセッテは真剣な表情でそう答えた。
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