管理局とGと因縁と・・・

ナカムラ家、とある一室・・・

「うっ……夢羽……」

夢羽や和也達と共に地下研究施設から脱出し、自分達が仕掛けたAD爆弾で地下研究施設を地上の洋館ごと綺麗さっぱりに破壊した後、ナカムラ家への帰還の途中、意識を失った佳奈多はそう言いながら、お客様用の部屋のベッドの上で目を覚ます。

「目が覚めた?佳奈多。」

「!?明日奈!!」

そんな佳奈多に対し、いつの間にか近くにいた明日奈がそう話しかける。

「!?そうだ!!夢羽は!!」

「夢羽ちゃんは大丈夫。フェイトちゃん達から夢羽ちゃんが自分達を護るために起死回生を狙って、自らにGウイルスを投与したって聞いた時は思わず慌てたけど、そのGウイルスに完全に適合していたこととネフィーネさん……だったかな。その人が密かに開発していたワクチンを打ったおかげで少なくとも、ゾンビや怪物になることはないらしいわ……体内のGウイルスは残ったままだけど……」

そう言いながら、慌てて上半身を起き上げる佳奈多に対し、明日奈は冷静にそう説明する。

「………」

「……大変だったわね。佳奈多……」

「……明日奈……私……」

ポスッ

「!?」

「………」

明日奈は突然、佳奈多を抱き寄せる。

「あ、明日奈………」

「大丈夫。今、この部屋にいるのは私達だけだから………」

「う、うわあああぁぁぁんっ!!」

明日奈が優しい笑顔でそう言った瞬間、佳奈多は明日奈の胸の中で泣き始める。

自分達を護るためとはいえ、自ら、『人』であることを捨てることを選んだ親友の娘を止められなかった。

そのことに自責の念を感じた佳奈多は明日奈の胸の中で思いきり涙を流した。
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