管理局とGと因縁と・・・

「これは……」

「夢羽姉さんとウェスカーが何度もぶつかり合っているんです……常人には見えないスピードで……」

夢羽とウェスカーが消えてから響き渡る衝撃音や金属音にそう困惑の声を上げるネフィーネに対し、フェイトが真剣な表情でそう言う。

そう言うフェイトを始めとする佳奈多、リヒテル、蒼牙、竜牙、ファルコ、和也の七人には朧気ながらも見えていた。

最早超人というよりも怪物に近いスピードとパワーを持つウェスカーを相手に互角に渡り合う夢羽の姿を。

「くっ……」

(夢羽……)

「ほぅ……今の俺とここまでやり合うとは……今のおまえは俺達と同じ化け物ということか……」

そんな夢羽の姿を見て、佳奈多が苦い表情を浮かべながらそう思うなか、ウェスカーはぶつかり合いながらそう言う。

「ッ……確かに今の私はおまえ達と同じ『化け物の力』を手にした……けど、おまえ達と違う点が一つだけある……!!」

「なに?」

「おまえ達はその“力”を何の罪もない人達を傷つけるために使うが、私は違う!!私はこの“力”を大切な人達を護るために使う!!昔、姉さんが皆を護るために『創世龍』になったのと同じように!!!」

ドカァァァンッ!!

夢羽は力強い眼でそう言いながら、ウェスカーを吹き飛ばす。

「くっ!?」

「“ダークバースト”!!」

「!?」

ズガアアアァァァーーーンッ!!

吹き飛ばした後、夢羽はそう言いながら銃形態にした黒狼牙で、Gウイルスを投与したことによって威力が強化された“ダークバースト”を放つ。

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」

ズガアアアァァァーーーンッ!!

夢羽が放った“ダークバースト”はウェスカーを呑み込みながら壁に穴を開け、土煙を起こす。

「ッ……やったか……?」

その土煙を見て、和也はなんとか身体を起こしながらそう言う。

・・・ザッ・・・!!

『!?』

「ぐっ……はぁ……はぁ……」

が、次の瞬間、土煙の中から恐らく盾に使ったのだろう、少々ヒビが入った新型神機を持った、右腕が失われたウェスカーがそう言いながら現れる。

「マジかよ。奴の生命力は化け物か!?」

「フ、フフフ……素晴らしいな。Gウイルスに適合しただけでなく、ここまでの“力”を手にするとは……」

パァァァ

和也がそう困惑の声を上げるなか、ウェスカーはそう言いながら銀のオーロラを出現させる。

「今回はその“力”に敬意を称し、この右腕とG-000、Dr.オリフィスはくれてやる。この地下研究施設での研究データと戦闘データは部下共に命じて、既に本部に送ったしな。」

「!?待て!!この野郎!!」

「また何処かで遭おう。『機動六課』。そして、朝田唄乃の娘よ。」

そう言う和也の制止を無視しながら、ウェスカーはそう言いながら銀のオーロラの中に消えていった。
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