管制室・・・

「なんだ！？あの黄色いハンター！！何故、ケルベロスやライオトルーパー達を！？」

「しかもファルファレルロよりも強いぞ！！」

監視モニターで少女を助けるために乱入し、四匹のケルベロスと六体のライオトルーパーを瞬殺し、さらにはファルファレルロも倒した狩斗を見て、二人の白衣の男はそう困惑の声を上げる。

「あの黄色いハンターをこちらから制御することは可能か？」

「だ、ダメです！！先程からやっているのですが、こちらからの制御は全くといっていい程、効いていません！！」

そんななか、そう尋ねるウェスカーに対し、PCを弄っている男はそう答える。

「ちっ！！……Dr.オリフィスめ……あんなものまで用意していたとはな………」

そんな男の報告を聞いて、ウェスカーは舌打ちしながらそう言う。

「仕方ない。G-000は俺が迎えに行こう。念のためにネメシスを三体、連れていく。ライオトルーパーとケルベロス、ファルファレルロ共には侵入者の排除を最優先させろ。」

「「はっ！！」」

ウェスカーはそう指示しながら、再び管制室を後にした。

ウイルス研究室・・・

「ここは……」

「恐らく、実際にウイルスを生成したり、保管するための部屋ね。」

「こんなにたくさん……」

その頃、ウイルスを生成したり、保管するための研究室に入った夢羽と佳奈多はそう言い、行動を共にして一緒に入った竜牙は中に置かれてあったたくさんの液体の入った試験管や注射器を見ながらそう言う。

「この部屋にあるのが『Ｘマジンラー』が保有しているウイルス全てとは限らないわ。とりあえずこの部屋に奴らに関する情報が他にもないか、調べてみましょう。」

「うん。」

「わかりました。」

そうして佳奈多、夢羽、竜牙の三人は研究室内を調べ始める。

(ん？これは……)

そんななか、夢羽は棚に保管された大量の注射器の中にある、『G』というラベルが貼られた注射器に目が止まる。

(……奴らを追う証拠品になるかな……)

夢羽はそう思いながら、その注射器を手に取る。

『聞こえるか？こちら、リヒテル。』

その時、佳奈多の無線機にファルコ達と協力して、四体のファルファレルロを倒したリヒテルからの通信が入ってくる。

「リヒテルさん？どうかしましたか？」

『『Ｘマジンラー』がファルファレルロを放ってきた。どうやら連中は本気で私達を始末するつもりらしい。』

「！？ファルファレルロ……厄介な奴が出てきたわね……」

『とりあえず今、ファルコ達と協力して、四体のファルファレルロを倒したところだが……』

「……わかりました……こちらでも警戒はしておきます……」

「竜牙さん。夢羽。何か見つかりましたか？」

その後、リヒテルとの通信を終えた後、佳奈多はそう竜牙と夢羽に尋ねる。

「僕の方は特にこれといって何も……」

「私の方は……こんなものを……見つけた……」

そんな佳奈多に対し、竜牙はそう答え、夢羽はそう答えながら先程、手に取った注射器を佳奈多と竜牙に見せる。

「？G？」

「！？」

(まさか……)

「とりあえず奴らを追うための証拠品になるかもしれないから……私が持っておくよ……」

注射器に付いているラベルの『G』を見て、竜牙が首を傾げながらそう言い、佳奈多がそう思いながら動揺するなか、夢羽はそう言いながら注射器を懐に入れる。

「あ……」

「？どうかした？……佳奈多さん……」

「あぁ、なにも！！お願いね。夢羽。」

「うん……」

(落ち着いて……まだあの注射器の中身が『あのウイルス』だと決まった訳じゃない……)

嫌な焦燥感を感じながらも佳奈多はなんとか冷静に考えながらそう言う。

その後、三人はAD爆弾を一つ、見つからないように設置して、その部屋を後にした。