管理局とGと因縁と・・・

『トゥアルの森』、謎の洋館付近・・・

「あれね。一翔君が言っていた怪しい洋館というのは……」

「見た感じ、研究施設には見えねぇな。」

「多分、あの洋館自体は見せかけで研究施設は地下に設置されているんだと思います。私や佳奈多さんがこれまで潰してきた違法研究所もそういったのが多かったでしたから。」

「今、裏の方を見てきましたが、裏口と呼べるものはないみたいですね。」

一翔からの情報を元に『トゥアルの森』の中に出現した怪しい洋館の近くまできた後、佳奈多は洋館を見ながらそう言い、同じように洋館を見ながらそう言う克巳にフェイトがそう言うなか、洋館の裏の方を確認してきたラグがそう言う。

「となると、正面から入るしかなさそうだな。」

「夢羽。施設を破壊するためのAD爆弾はどれくらい用意してきたの?」

「とりあえず、三つは持ってきたよ。佳奈多さん。」

そんなラグからの報告を聞いて、リヒテルがそう言うなか、そう尋ねる佳奈多に対し、夢羽はそう答える。

「ファルコ。響介。頼むぞ。」

「「了解。」」

そう指示するリヒテルにそう答えながら、ファルコと響介は自分達の『あらゆるものを隠蔽する程度の能力』と『気配を消す程度の能力』を使って、自分達十人の姿を敵に見つけにくくする。

「まずは私と蒼牙閣下が扉の近くまで先行する。」

「それで罠や見張りがいなければ合図を出すから、その合図を確認したら、他の八人も扉の近くまできて、共に洋館の中に潜入する。」

「「「「「「「「了解。」」」」」」」」

「行くぞ。リヒテル。」

「あぁ。蒼牙閣下。」

ファルコと響介の能力を使って、自分達の姿を敵に見つけにくくした後、リヒテルと蒼牙はそう八人に指示してから先行して、足音を立てないように扉の近くまで到達する。

が、特にこれといった罠もなければ、見張りの怪人もいなかった。

「とりあえず、今のところは問題はなさそうだな。蒼牙閣下。」

「あぁ。そうだな。」

扉の前まできた後、二人はそう話しながら、佳奈多達に合図を出す。

その後、後からきた佳奈多達と共に洋館の中に侵入した。

洋館内・・・

洋館の中は薄暗く、天井にはシャンデリア。床には紅い絨毯。壁や棚には高級な壺や絵画が飾られてあり、奥には階段があった。

「へぇ……なかなか良い館だな……」

「油断しないでください。こうしてる今、私達がここに侵入していることを敵も気付いてるかもしれませんから。」

「とりあえず、一部屋一部屋を調べていくか。」

洋館に侵入した後、そう言いながら洋館内を見渡す克巳にフェイトが警戒しながらそう言うなか、リヒテルはそう言う。

そうして一同は洋館内の一部屋一部屋を調べ始めた。

書斎・・・

洋館内の一部屋一部屋を調べ始めてから一時間後、一同は今度は書斎を調べ始める。

「ん?」

そんななか、克巳は本棚にある、不自然な感じで置かれた一冊の本を見つける。

「………」

克巳はその本を押してみる。

ガゴンッ!!ゴゴゴゴゴ・・・ッ!!

すると、その本が置かれた本棚が横にスライドし、地下へと続く道が現れる。

「……意外とベタな隠し通路を使うんだな。『Xマジンラー』って……」

「とにかく、ここから先は用心して行こう。」

そうして一同は隠し通路の中を歩み始める。

十分後、一同は施設内の通路らしき道に出た。

「どうやらここが『Xマジンラー』の研究施設と見て、良さそうだな。」

「えぇ。ですが今のところ、怪人処か人影すらないというのはどういうことなんでしょうか?」

通路に出た後、真剣な表情でそう言う蒼牙にそう言いながら、フェイトは首を傾げながらそう言う。

「まぁ、今はファルコと響介の能力で姿と気配を隠しているから、それで敵が気付いてないだけならば、儲けものだが……」

「とにかく今は先に進みましょう。今回の作戦は上手くいけば、『Xマジンラー』の思惑を崩すだけでなく、『Xマジンラー』の更なる情報を探ることもできますから。」

「それで……右、左……どっちに行く?」

そんなフェイトに対し、リヒテルがそう言い、佳奈多が真剣な表情でそう言うなか、夢羽が首を傾げながらそう言う。

「とりあえず、右に行ってみましょうか。」

そうして一同は右の方に進んでいった。
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