狙われた怪獣使い

『アトラン王国』、南側・・・

『『TIME OUT』』

・・・フッ・・・

「「はぁ……はぁ……」」

先程まで互いにスタートアップを使い、超光速の世界でほぼ互角の戦いを繰り広げていた彩夏と零斗は互いに通常のフラッシュと通常のハイドに戻りながら、スタートアップが解除される。

「うっ……」ガクッ!!

次の瞬間、彩夏は思わず片膝を着く。

「!はあああぁぁぁーーーっ!!」

それを隙と判断した零斗はそう言いながら彩夏に肉簿し、右手に握ったハイドブレイガンで斬り裂こうとする。

ズドォォォンッ!!

「ぐわっ!?」

が、その瞬間、リヒテルが放った一筋の弾丸が零斗の右肩を撃ち抜き、吹き飛ばす。

「大丈夫か?彩夏。」

「はぁ……はぁ……リヒテルさん……」

「くっ……『幻想の守護者』!!」

そう言いながら彩夏に駆け寄るリヒテルに対し、零斗はそう怒りを露にしながら立ち上がる。

パァァァ

「そこまでだ。零斗。」

が、その瞬間、零斗の背後に銀のオーロラが現れ、そこから零斗と同じく『Xマジンラー』の幹部であり、零斗を闇へと誘った張本人であるウェスカーが現れる。

「!?ウェスカー!?」

「先程、ベルゼバブが倒され、奴が考案した、この世界のレイオニクス、ヴィヴィオ・ナカムラをこちら側に引き込む計画は失敗した。これ以上の戦闘に意味はない……引き上げるぞ……」

「……ちっ……」

ウェスカーにそう言われ、舌打ちした後、零斗は片膝を着く彩夏の方をチラリと見る。

「はぁ……はぁ……」

「今回はここまでにしてやるが、次は必ず貴様を殺す!!首を洗って待っていやがれ!!黒原彩夏!!!」

零斗はそう言いながら、ウェスカーと共に銀のオーロラでその場を去っていった。

パァァァ

「ッ……」

「大丈夫ですか?彩夏さん。」

「はい。大丈夫です……」

「とにかく今はノゾミ達の元へ向かおう。」

その後、変身が強制解除された自分に駆け寄りながらそう尋ねてくる舞人に対し、彩夏がそう答えるなか、リヒテルはそう言いながら変身を解く。

そうして彩夏、リヒテル、舞人の三人もノゾミ達の元へと向かう。

その頃、街で怪人達と戦っていた阿号、にとり、フェン、デネブの四人も無事、怪人達を殲滅し終え、『Xマジンラー』のヴィヴィオとノゾミの“命”を狙った襲撃事件は終わりを迎えた。
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