狙われた怪獣使い

空色の光が現れる一、二分前、一年Sクラス、教室内・・・

「ッ!!」

「くっ!!」

ガキィィィンッ×2!!

「「………」」

自分達が作ったバリケードを破ってきたジェイとアカリの影狼と炎蛇を、カインとエレンは黄魔と片手剣に形状変化させた血爪で受け止める。

「くっ……ジェイ君……」ガキキ

「………」ガキキ

「アカリちゃん……」ガキキ

「………」ガキキ

「カイン君!!エレンちゃん!!」

それぞれで鍔迫り合いをしながら、苦い表情を浮かべながらそう言うカインとエレンに対し、ルナの障気を他の生徒や教師達に巻き付かせて、身動きを封じていたヴィオラはそう言う。

カアアアァァァーーーッ!!

「「「【!?】」」」

そんななか、突然、空色の強い光が発生した。

「この光は……ッ!?」

「「【!?】」」

「………」

「「「【ノゾミ(ちゃん)(さん)!?】」」」

突然、起きた光の方を見てみると、空色のオーラを纏った、伊邪那美と蒼牙の協力によって『神にも抗う力』、NSに覚醒し、その“力”で自らを蝕む毒を解毒したノゾミが立っていた。

「……やめて……もうやめてえええぇぇぇーーーっ!!!」

カアアアァァァーーーッ!!

ノゾミがそう叫んだ瞬間、空色の光、NSに覚醒したことによって新たに獲得した『感応波』の光が『フォールテ学園』全体(敷地内も含む)を包み込む。

「あれ?私………」

「?なにやって……たんだろう……?」

『?』

次の瞬間、ノゾミの感応波によって、アカリやジェイを始めとする生徒や教師達にかけられていた洗脳が解かれた。

「アカリちゃん!!ジェイ君!!皆!!」

「目が覚めたんですね!!」

「?エレンちゃん?カイン君?」

「何か……あった……の?」

洗脳が解かれ、正気に戻ったアカリとジェイが首を傾げながら、エレンとカインにそう尋ねるなか、

ドサッ!!

「!?ノゾミちゃん!!」

『!?』

ノゾミが突然、その場に倒れこむ。

「ノゾミちゃん!!」

「ノゾミ……ちゃん……!!」

突然、倒れこんだノゾミに対し、アカリとジェイはそう言いながら駆け寄る。

「アカリちゃん……ジェイ君……目を覚ましたんだ……良かっ……た……」

対するノゾミは微笑みながら、そう言いながら安心と疲労からか気を失うかのように眠りについた。
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