狙われた怪獣使い

『フォールテ学園』、敷地内・・・

「!?」

ズドドドッ!!

『フォールテ学園』の敷地内に入った瞬間、何処からか、ノゾミに向けて、魔法が放たれる。

「くっ!!」

ズガガガァンッ!!

が、ノゾミは乗ってきたホウキを上昇させて、上空に飛び上がることでその攻撃をかわす。

「一体何が……ッ!?」

「「「………」」」

突然の攻撃をかわした後、ノゾミがそう言いながら、魔法が放たれてきた方を見ると、そこには目に光を失った、女一人に男二人の計三人の生徒が掌をノゾミに向けて、構えていた。

(さっきの魔法はあの子達が!?でも、なんで……)

「!?」

「「………」」

見ず知らずの三人の生徒からの突然の襲撃にノゾミがそう思いながら困惑するなか、今度は風を纏った二人の男子生徒が魔武器であろう剣で斬りかかってくる。

その二人の目からも光を失っていた。

「くっ!!」

斬りかかってきた二人の男子生徒の剣をノゾミは乗っていたホウキを上手く操作して避けながら突然、襲撃してきた五人の生徒達から距離を取る。

(あの五人、明らかに様子がおかしい……もしかして、誰かに操られてる!?)

距離を取った後、突然、自分を襲撃してきた五人の生徒達のことについて、ノゾミはそう考える。

が、ノゾミにとって、その『操っている何者か』についての心当たりは一つしかない。

「まったく……あれから大人しいと思ったら、また面倒で嫌な攻め方してきたね。『Xマジンラー』!!」

生徒達を今、操っているのが『Xマジンラー』だと直感したノゾミが怒りを露にしながらそう言うなか、最初に魔法を放ってきた三人は魔法を放ち、後の二人は剣を構えて、特攻を仕掛けてくる。

「ッ!!」

対するノゾミはホウキを“ボックス”の中に仕舞い、サクラを剣形態で呼び出し、増殖で二刀流にして構える。

「フッ!!」

「「!?」」

ドカッ!!ドカッ!!ドサッ×2!!

次の瞬間、ノゾミは放たれてくる魔法をかわしながら、峰打ちで特攻を仕掛けてきた二人の男子生徒を気絶させ、

「はぁっ!!」

「「「!?」」」

ズガガガァンッ!!ドサッ×3!!

すぐさま銃形態にさせた右手のサクラで『非殺傷設定』を付与した三弾の“サンダーバレット”を魔法担当の三人組に向けて放ち、命中させて気絶させる。

「ふぅー……一応お父さん達から『非殺傷設定』を教えてもらっててよかった………ッ!?」

パァァァ

襲撃してきた五人の生徒達を気絶させた後、ノゾミがそう言うなか、学園全体が結界に包まれる。

「これはここからの脱出若しくは外からの救援を妨げるための結界……ッ!?」

ノゾミが結界を見上げながらそう言うなか、何処からか連結刃の刃がノゾミを襲い、ノゾミはその刃をギリギリでかわす。

ドカァァァンッ!!

かわされた刃は先程までノゾミがいた地面に命中し、クレーターを作る。

刃が放たれた方を見ると、そこには最初に襲撃してきた五人組と同じように操られているであろうたくさんの教師と生徒・・・

「!?アカリちゃん!?」

「………」

そして、その先頭にはノゾミの幼馴染みの一人である、他の教師や生徒と同じように操られたアカリがいて、先程、ノゾミを襲った刃の正体はアカリの魔武器である連結刃形態の炎蛇だった。
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