狙われた怪獣使い

『ウェズペリア』、アトラン王国、ナカムラ家前・・・

「行ってきまぁーす!!」

ヴィオラちゃんとエレンちゃんも参加したお泊まり会から一週間後の朝、私はそう言いながら家を出て、ホウキに乗る。

あ。どうも。視点は作者から変わりまして、ノゾミ・ナカムラです。はい。

って私はまた誰に言ってるんだろう?

「まぁいいか………」

私はそう思いながらホウキを走らせて、『フォールテ学園』へと向かう。

「………」

あのラミを利用した学園への襲撃事件からもう約一ヶ月くらい経ったけど、『Xマジンラー』から新たな攻撃はされてない・・・裏でなんかやっているか、それとも今はこちら側の動きを様子見してるのかな・・・

まぁ、一ヶ月間、連中が派手なアクションを起こしてくれなかったおかげでこの国も貿易関係にある『ゴリアテ帝国』もそれなりに警戒体制を整えられたらしいし、舞人さんもまだこちらに残ってもらってるから大丈夫だと思うけど・・・

「な~んか嫌な予感がするんだよねぇ~……」

『Xマジンラー』のこれからの動向について、私はそう言いながらホウキに乗って、走り続ける。

「フフフ……準備が整い、役者もこれで揃った………」

そんなノゾミの後ろ姿を影から見ながら、『Xマジンラー』からの新たな刺客であるベルゼバブはそう言う。

「さぁ……絶望のショータイムだ……!!」
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