それから三十五分後、ナカムラ家前・・・

「【……でかいな……】」

エレンちゃんが克巳さんと使い魔契約してから戻ってきて、それからヴィヴィオ叔母さんと別れてから皆でお泊まり会をするために私の家まで来た後、ヴィオラちゃんとエレンちゃんに召喚されたルナと克巳さんは家を見上げながらそう言う。

あ。どうも。視点はエレンちゃんから変わって私、ノゾミ・ナカムラです。はい。

って私はまた誰に説明してるんだろう？

「初めて家に来た人達、皆、そう言うけど、そんなに大きいのかな？」

「いやいや。ナカムラ。俺ら、一般庶民からしたら、普通にでかいからな？マジで。」

首を傾げながらそう言う私に対し、マコト君が冷静にそう言ってくる。

そういえば、マコト君も初めて来た時、

「でかっ！？っていうかなんで六課の隊舎なんだよ！？」

とか言ってたっけ……

ヒュウウウ・・・

「【！？】」

『………』

私がそう思っているなか、克巳さんの前に機械的な目玉、私が生まれる２２年前に彩夏さんが作った善悪を見抜くセキュリティ機械目玉、『識別するよ君』が飛んでくる。

「な、なんだ？この気持ち悪い目玉は……」

「あぁ、それはこの家を造ってくれた彩夏・黒原さんが作った善悪を見抜くセキュリティ機械目玉、『識別するよ君』ですよ。」

『ピピッ！！悪人の反応なし。』

ヒュウウウ・・・

自分の目の前まで飛んできた『識別するよ君』に若干引きながらそう言う克巳さんに対し、私がそう説明しているなか、『識別するよ君』はそう言うや否や、何処かへと飛んでいった。

「……『悪人』の反応なしって……あの機械は何を基準で判断してるんだ……？」

「え～と、確か、彩夏さんが言うには見た人が犯している罪は勿論、その人の魂の本質を重要視して識別しているって言ってましたね……」

「ふぅ～ん……まぁ、何にせよ、デザインは変えた方が良いと思うがな……」

「あははは……初めて家に来た人にはよく言われます……」

「……(ﾎﾞｿｯ)ちょっと嫌な思い出を思い出しそうになるしな……」

「え？今、何か言いました？」

「……なんでもねぇよ……」

「？」

首を傾げながらそう尋ねる私に対し、克巳さんは若干そっぽを向きながらそう言う。

？なんなんだろう？