え、え～と、はじめまして……で良いのかな？

視点はノゾミちゃんから変わって今、ヴィオラちゃんと入れ替わりに使い魔召喚をしたエレン・デュークです。はい。

「って大きなお屋敷………」

そう言う私の目の前には今、使い魔召喚をした学園のグラウンドにはなかった筈の大きなお屋敷がありました。

……これがヴィオラちゃんの時、ノゾミちゃん達が言っていた逆召喚か………

「うむ。漸く来たか……」

「え？」

私がそう思いながらお屋敷を見ているなか、後ろの方からそう言う声が聞こえてくる。

振り向くと、そこには黒髪ロングの雪のように白い肌、紅い瞳に黒い和服を着た、綺麗な女の人がいた。

？この人が私の使い魔なのかな？

「残念ながら、妾はお主の使い魔ではないぞ。エレン。」

「心を読まれた！？っていうか私のことを知ってるのですか？」

心を読まれたことにそう困惑の声を上げながら、私はそう女の人に尋ねる。

「およ？妾のこの声に聞き覚えがないかの？」

そんな私に対し、女の人は首を傾げながら、逆にそう聞き返してくる。

ってあれ？この声、何処かで聞いたことあるような・・・あ！！

「もしかして……『伊邪那美』……さんですか？」

「あぁ、そういえば、こうして直接会うのは初めてじゃったな……そうじゃ。妾が一翔やノゾミに宿る『伊邪那美』の“力”の“本体”でもある『冥界』の女神、主神の妻、『伊邪那美』。そして、ここは妾が管理する“死後の世界”、『黄泉の国』じゃ………」

首を傾げながらそう尋ねる私に対し、女の人、『伊邪那美』さんは笑顔でそう答える。

因みに『伊邪那美』さんは元の世界で死にかけていた私に今の新しい身体を与えてくれて、さらにはヴィオラちゃんとヴィオラちゃんのお父さんと一緒に『ウェズペリア』にトリップ転生させてくれた女神さんでもあります。はい。

「って『伊邪那美』さん。さっき、自分が使い魔になる訳ではないって言ってましたけど、じゃあ、なんでここにいるんですか？」

「うむ。お主の使い魔となる者を紹介してやろうかと思うての……ついて参れ。詳しい話は中でする……」

首を傾げながらそう尋ねる私に対し、『伊邪那美』さんは笑顔でそう答えながらお屋敷の中に入り、私もその後をついて行った。