夏と言えば海。海と言えば・・・ビーチ?いや、砂漠!!

「く、クソが」

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「!?」

ズバババババババババババババババァンッ!!

デザートドーパントの言葉の最中、私はそう言いながら、二刀流のホープソードガンで十数回と斬りつけ、

「はぁっ!!」

ズバァァァンッ!!

「ぐはあああぁぁぁーーーっ!?」

最後に一閃を浴びせて、洞窟の外へと吹き飛ばす。

「二人はここで他の密猟団を見張ってて!!」

「わかった!!」

「気を……つけて……ね……」

私はアカリちゃんとジェイ君の二人にそう言ってから、吹き飛ばしたデザートドーパントを追って、洞窟の外へと出ていく。

洞窟外・・・

「さてと、そんなに遠くには飛ばしてないとは思うけど………」

外に出た後、私はそう言いながら、吹き飛ばしたデザートドーパントを探し始める。

【……許さねぇ……】

「!?」

そんななか、先程よりも野太くなったデザートドーパントの声が聞こえてくる。

が、何処を見渡しても、声の主であるデザートドーパントの姿が見当たらない。

?・・・一体何処に・・・?

【俺を……とことんコケにしやがって……!!】

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ッ!!

「!?」

そんななか、何処からか聞こえてくるデザートドーパントの声と共に地響きが起きる。

ズガァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!!」

「!?」

次の瞬間、地面からヒャッカ砂漠の砂と融合して巨大化したデザートドーパントが出てきた。

・・・マジで・・・?

【叩き潰してくれる!!】

次の瞬間、巨大デザートドーパントはそう言いながら、殴りかかってくる。

「ッ!!」

ズガァァァンッ!!

対する私は横に勢いよく飛ぶことで巨大デザートドーパントの拳をかわす。

「さて、どうしたものかな………」

かわした後、私はそう言いながら、巨大デザートドーパントの対処法について、考える。

……ここは『あの子』を喚ぶかな……

「スフィンクスゥーーーッ!!」

パァァァ

私がそう腹から声を出した瞬間、私の近くに巨大な魔法陣が出現する。

「グオオオォォォーーーッ!!」

【!?】

次の瞬間、その魔法陣から女性を象った彫刻のような顔に獣の体、氷のような六枚の翼、額にはルビー、頭には神様の後光のような飾りがある巨大生物・・・十年前、異世界、『第九世界』にいる雪姫っていう人から貰ったオラクル細胞に彩夏さんが(制御目的で)お父さんとお母さんの細胞を掛け合わせた結果、生まれたアラガミで私とお母さんの可愛いペット、『アリウス・ノーヴァ(改)』のスフィンクスが召喚されてくる。

因みにスフィンクスはペットであると同時に私の使い魔でもあります。はい。

って私はまた誰に説明してるんだろう?

【な、なんだ!?この怪物は!?】

「グオオオォォォーーーッ!!」

私が喚んだスフィンクスを見て、そう困惑の声を上げる巨大デザートドーパントに対し、スフィンクスはそう威嚇の雄叫びを上げる。

・・・フッ・・・

「ん?」

そんななか、私の手元に二つの液体が入った小瓶が転移されてくる。

え~と、一つは徐砂剤で送り主は・・・奏さんだね・・・もう一つはデザートドーパントと砂の剥離液で送り主は・・・まだ会ったことないけど、月詠さんだね・・・

奏さん。月詠さん。ありがとうございます。

「スフィンクス!!」ヒュッ!!

徐砂剤と剥離液を送ってくれた二人に心の中でそうお礼を言いながら、私はそう言いながら徐砂剤と剥離液をスフィンクスに向けて、投げる。

パクンッ!!

対するスフィンクスはそれらを一口で平らげ、吸収する。

実はスフィンクス、アラガミだからか、喰らったものを自分の“力”にできるんです。はい。

って私はまた誰に説明しているんだろう?
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