夏と言えば海。海と言えば・・・ビーチ?いや、砂漠!!

「うっせぇぞ!!おまえらぁっ!!!」

「「「!?」」」

ズガァァァンッ!!

「ギャウッ!?」

そんななか、密猟団のリーダー格と思われる一人の男がそう言いながら背中に担いでいた巨大な斧を手に取り、自分達が取り囲んでいる方のアイスレックスの眼前に叩きつける。

「グルルルッ!!」

「ガァァァッ!!」

「ちょっとちょっと、良いんすかぁ?リーダー。あの組織に卸す予定の大事な商品に手を出して……」

「ふん。あの組織に卸す商品はたくさんあるんだ……一つくらい、他の商品共への見せしめとしてぶっ壊したところで先方からの文句はねぇだろうよ………」

それを見て、周りの檻に入れられてる方のアイスレックス達が威嚇したり、檻に体当たりしているなか、そう言う一人のチンピラ風の男に対し、リーダーはそう言いながら、アイスレックスの眼前の地面に突き刺さった斧を引き抜き、肩に担ぐ。

ってあの組織?

「良いか!?おまえら!!こいつはおまえらに対する見せしめだ!!おまえらはこいつが殺されるのを黙って見てるんだよ!!」

連中が言った『あの組織』という単語に私がそう思いながら首を傾げるなか、リーダーはそう言いながら、今度は斧をアイスレックスの頭目掛けて振り下ろそうとする。

「ッ!!させない!!」バッ!!

「!?」

ドキューンッ!!

それを見た私はそう言いながら銃形態のサクラを取り出し、銃弾を放って、リーダーが振り下ろそうとしている斧を手元から弾き飛ばす。

「痛っ!?誰だ!!?」

斧を弾き飛ばされた後、リーダーは先程まで斧を握っていた手を押さえながらそう言う。

「………」

「私達はギルド『希望の翼』の者達です!!」

「絶滅危惧種のアイスレックスを……違法に乱獲して……売り捌こうとする……おまえ達の身柄を……拘束……させてもらう……!!」

そんなリーダーに対し、私は何も言わずにサクラを構えながら姿を現し、後に続いて姿を現したアカリちゃんとジェイ君はそう言いながら、炎蛇と影狼を取り出して構える。

「ギルドってヤバくないっすか!?リーダー!!」

「ふん!!たかが三人のガキ!!何を狼狽えることがある!!おまえら!!かかれぇ!!」

『うおおおぉぉぉーーーっ!!』

リーダーがそう言った瞬間、数十人の密猟団が剣や銃、斧やハンマー、弓矢を持って私達に襲いかかろうとしてくる。

パキィィィンッ!!

『!?』

が、その瞬間、洞窟内が氷に包まれる。

「な、なんだ!?こりゃあぁ!!?」

「え?これって……」

「ノゾミちゃんの……仕業?」

「ううん。違うよ。どうやらこれは異世界からの干渉によるものだね。」

洞窟内が突如、氷の世界に包まれたことに対し、リーダーがそう言いながら慌てふためくなか、首を傾げながらそう尋ねてくるアカリちゃんとジェイ君に対し、私は洞窟内に展開された魔法の魔力等を調べながらそう答える。

この魔力の感じは・・・奏さんだね・・・でもってこの魔法は異世界、『ガーネット』の氷属性の最上級魔法、“アイス・ワールド”か・・・

いずれにしよ、ありがたいね。だって・・・

『グオオオォォォーーーッ!!』

ガシャァァァンッ!!

『!?』

・・・さっきまで砂漠の熱で弱っていたアイスレックス達が一斉に復活、並びにパワーアップするんだから♪

「なっ!?こいつら、環境に対応して、復活しやがった!?」

「ど、どうするんすか!?リーダー!!」

「ちっ!!狼狽えるな!!おまえらぁ!!もう一度、麻酔で眠らせとけ!!」

リーダーがそう言った瞬間、数十人いる密猟団の内、二十人の男が麻酔銃を取り出し、構え始める。

「っていやいや。そう簡単に撃たせる訳ないでしょ。」

『!?』

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

そんな男達に対し、私はそう言いながら、二丁流にしたサクラで狙撃して、男達が構えていた麻酔銃を破壊する。

「しまっ」

『グオオオォォォーーーッ!!』

『ぎゃあああぁぁぁーーーっ!?』

自分達が構えていた麻酔銃を狙撃で破壊されたことに対し、二十人の内の一人がそう言うなか、復活並びにパワーアップしたアイスレックス達が放った“氷液”によって、(多分、麻酔銃による狙撃担当だった)二十人の男達は氷像と化した。
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