夏と言えば海。海と言えば・・・ビーチ?いや、砂漠!!

三十分後、洞窟内・・・

「あれは……」

洞窟に入って、岩影に隠れながら進むこと、三十分後、私達は一頭の鶏冠が付いた水色の恐竜(?)みたいな魔物とその魔物を取り囲むように立っている数十人くらいの男の姿を見つける。

よく見ると、男達の周りには取り囲んでいる魔物と同種だと思う水色の恐竜(?)みたいな魔物が檻に入れられた状態でたくさんいる。

・・・一体何をしてるんだろう?

「あの魔物ってもしかして『アイスレックス』?」

男達に対して、私が首を傾げながらそう思っているなか、アカリちゃんが魔物を見ながら、首を傾げながらそう言う。

アイスレックス:氷山で集団で生息している絶滅危惧種の魔物。受けたものをたちまち凍らせる特殊な液体、“氷液”を吐き、素早い動きと鋭い爪を武器にしている。尚、氷山といった寒い環境で生息しているからか、暑さには滅法弱い。

「なんで……こんな所に……?」

「ノゾミちゃん。『見聞色』の覇気で何かわかる?」

「ちょっと待って。今、あの男達やアイスレックス達の“声”を聴いてみるから。」

男達に取り囲まれていたり、檻に入れられたりしているアイスレックスにジェイ君がそう言いながら首を傾げるなか、そう言うアカリちゃんに対し、私はそう言いながら瞳を閉じて、男達やアイスレックス達から発せられる“声”に耳を傾け始める。

「……なるほどね……」

「ノゾミちゃん。」

「何か……わかった……の……?」

男達やアイスレックス達から発せられる“声”を聴いた後、そう呟く私に対し、アカリちゃんとジェイ君がそう尋ねてくる。

「うん。私が最初に聴いた助けを求める“声”の主はあのアイスレックス達。で、あの男達の正体は密猟団でアイスレックス達を違法に捕まえて、ここに運んだのもあいつらだよ。」

対する私は真剣な表情でそう答えながら、奴らの手口について、説明する。

密猟団の手口

①まず、子どもから襲って捕まえる。

②次に子どもを囮に親を始めとする一族を誘いだし、隙を突いて、麻酔弾を打ち込んで一網打尽。

③粗方纏まったところで転移装置を使って、ヒャッカ砂漠にある洞窟内に転移。

④ヒャッカ砂漠の暑さでアイスレックス達を弱らせてから売り捌く。←今、ここ

「……酷いこと、するね……」

「……許さない……」

「アカリちゃん。ジェイ君。私はあのアイスレックス達を助けたい……手伝ってくれる?」

密猟団の手口についての説明を聞いた後、そう呟きながら、静かに怒りを露にするアカリちゃんとジェイ君に対し、私は真剣な表情でそうお願いする。

「勿論!!」

「手伝う……よ……」

「ありがとう………」

対する二人は小声でそう言い、そんな二人に対して、私はそう言った。
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