「はい……アカリちゃん……」

「ありがとう♪ジェイ君♪」

十体のサボテンズキラーがいた所から離脱した後、ジェイ君はそう言いながら回収した蜂蜜の実をアカリちゃんに手渡し、アカリちゃんはそうお礼を言いながら受け取る。

「それじゃあ、ギルドへ帰ろうか………ん？」

「？ノゾミちゃん？」

「どう……した……の……？」

「今、あっちの方から助けを求めるような“声”が聴こえたような……」

私はそう言いながらアカリちゃんとジェイ君を連れて、お父さんから受け継いだ『見聞色』の覇気で聞き取った、誰かの助けを求めるような“声”が聴こえた方へ向かった・・・





一時間後・・・

「……あそこだね……」

二人を連れて、“声”が聴こえた方へ向かってから一時間後、私達はヒャッカ砂漠にある数少ない洞窟の前まで辿り着く。

「ノゾミちゃん。“声”が聴こえたのってあの洞窟から？」

「うん。それもたくさんの“声”が聴こえるよ。」

「一体……何が……あるん……だろう……？」

「それはわからないけど、この“声”を無視することなんてできない……アカリちゃん。ジェイ君。付き合ってくれる？」

「フフフ……何言ってるの？ノゾミちゃん。」

「僕達が……ノゾミちゃんのお願いを……断る訳……ない……じゃん……」

「……ありがとう……二人とも……」

そうして私達は助けを求めるたくさんの“声”の正体を確かめるため、洞窟内へと入っていった。