幻想の守護者が次元の守護神を連れてきました

『Xマジンラー』、本拠地・・・

「どうやらラミ・ウカサがダークライブしたベロクロンを始めとする四体の怪獣が倒されたようだな……加頭……」

「申し訳ありません。カンナギ総帥……まさか、彼女達があそこまでやるとは……」

「はははははっ!!様ぁねぇな!!加頭!!」

何処かの次元に存在する『Xマジンラー』の本拠地にて、玉座に座りながらそう言う『Xマジンラー』のトップ、レム・カンナギ総帥に対し、加頭がそう言いながら頭を下げるなか、一人の銀髪の青年がそう言いながら、一人の黒髪の女性を伴いながらその場に現れる。

「ジンガさん……それにアミリさんも……」

「君達がここに戻ってきたということはそちらの任務は無事完了したということか?」

「えぇ。総帥。加頭やラミという子が派手に暴れてくれたおかげで無事、あの子達を『こちら側』に引き込むことができたわ……」

その場に現れた元魔戒騎士と元魔戒法師でホラーである青年と女性、ジンガとアミリに加頭がそう言うなか、そう尋ねるカンナギに対し、アミリがそう答えながら後ろの方を見る。

「待っててね。ナカムラさん……僕はもっと強くなって、君を助けるからね……」

そこには完全にその目に光を失った勇者(屑)、留坂ルサカシュウと同じく目に光を失った、いつもラミと一緒にいたお姫様ビッチと男勝りビッチの二人がいた。

「しかし、総帥も面倒臭い計画を立てるなぁ……加頭と加頭に心の闇を増長されたラミ・ウカサっちゅうガキを派手に暴れさせて、その隙に俺とアミリにこのガキ共を連れてこさせるとは……一気に攻めてった方が手っ取り早く『ウェズペリア』を乗っ取れたんじゃねぇか?」

「ふん。あの世界には22年前から仮面ライダーが多数、存在しているらしいからな……その仮面ライダー達の情報が本当かどうか確認したかった……それにその子達もまたなかなかの魔力と闇を持っている……それなりに使えそうな人材は確保しても損はない……」

「しかし、『幻想の守護者』や『次元の守護神』、さらにはウルトラマンやレイオニクスまで現れるとは……」

「ヴィヴィオ・ナカムラ……確か彼女は四体の怪獣を一度に使役したと報告があったな………」

「えぇ。その通りです。総帥。」

「へぇ……面白そうだな……その女………」

「どうする?総帥。今度はその女を引き込む?」

ヴィヴィオを『Xマジンラー』に引き込むかどうかについて、アミリがそうカンナギに尋ねる。

「ふむ。彼女の“力”は興味深い……が、それはまた今度にしよう……三人とも、御苦労だった……もう下がって良い……」

「では……失礼します。総帥………」

「へっ……」

「行くわよ。坊や達………」

カンナギがそう言った後、加頭、ジンガ、アミリの三人の幹部と勇者(屑)とビッチ二名はその場から退出する。

「ふむ。それにしても、加頭に心の闇を増長されたラミ・ウカサの復讐の相手で、裏切り者の人型魔導具、阿号とその現パートナー、河城にとりの主で仮面ライダーでもあるノゾミ・ナカムラという少女………」

その後、カンナギがそう呟きながら玉座に座り直すなか、異世界にいる一翔達の友人の一人である『陰陽の女神』、月詠・アクランドから悪戯属性の魔法が放たれてくる。

パァンッ!!

が、カンナギの身体から出てきた黒い霞のようなものが月詠の魔法を打ち消し、無効化する。

シュウウウ・・・

次の瞬間、黒い霞は『ビャッコの森』でのノゾミ達と尖兵の怪人達の戦いを影ながら傍観していた黒いフードの男・・・カンナギに憑依している真の黒幕である、意思を持ったマイナスエネルギー集合体、『邪心王 影法師』に変わる。

「感じる……奴からの強い光を……ノゾミ・ナカムラ……貴様は我らが消してくれる……フフフ………」

カンナギから一時的に分離し、月詠の魔法を無効化した後、影法師は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
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