『Xマジンラー』について

「あ。あんた、昨日の……」

「ん?」

その頃、お手洗いに行っていた月音は廊下で偶々、ハルカと出会す。

「あぁ、俺はハルカ・エミヤ。『時空管理局』の嘱託で仮面ライダーハルカだ。」

「本名がハルカで変身するライダーの名前も『ハルカ』って……いや、それを言ったらゲイツやウォズも同じか……」

そう言うハルカの自己紹介に月音は思わずツッコミを入れようとする。

が、ゲイツやウォズ会ったことのない先輩達のことが過ったからかすぐさま口をつぐむ。

「私は星宮月音。昨日、ナカムラ達と同じ学園に転入した者で喫茶店『ささめゆき』の店主。で、仮面ライダーディリンクもやっている。よろしく頼む。」

「おう。よろしくな。」

「ところでエミヤは赤いビヨンドライバーとミライドウォッチで変身していたと戦兎さん達から聞いたが、それらは彩夏さん達が作ったのか?」

「うん?いや。ミライドウォッチは本郷って人から貰ったブランクウォッチってのが勝手に変化して、ビヨンドライバーもその時に腰に出現したんだ。」

「!?本郷って……本郷猛かっ!?」

(あの仮面ライダーの原点にして頂点の男もこの世界にいるのかっ!?)

ハルカが口にした本郷の名に月音はそう思いながら、そう困惑の声を上げる。

「ちょっとそのウォッチを手に取って見せてくれないか?」

「お、おう……」

月音はそう言ってハルカからハルカミライドウォッチを受け取り、よく観察する。

「……確かに本郷猛との『繋がり』を感じるな……」

「わかるのか?」

「まぁ、一応な……」

(けど、本郷猛だけじゃない……この感じは……『あの人』か?)

「……ありがとう。見せてくれて。」

「お、おう……」

「それでこのウォッチの元になったブランクウォッチについて、本郷猛からは他に何か聞いてないか?」

ハルカにハルカミライドウォッチを返却した後、月音はそう尋ねる。

「う~ん……本郷さんからはウォッチはある人から貰った……くらいにしか聞いてないな……」

「……そうか……」

(『あの人』ならXショッカーが再び動き出すのを察知できてもおかしくないとして……本郷猛を介する形でナカムラの仲間であるエミヤにウォッチを渡して支援する一方で、ナカムラからは命を狙われる程の恨みを買うようなことをやらかしたってことか?……なんだ?この違和感は……)

対するハルカからの答えを聞き、ある人物の行動の矛盾性に違和感を覚えた月音はそう思いながら首を傾げた。
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