目を逸らしていたもの

「……は?」

『加頭について、わかっているのはここまでだね。』

「いや、それは良い、いや、良くはないけど、さっきのムテキゲーマーの姿は」

『次は今回の件にも関わっているこの二人だね。』

「え!?ちょっ」

ヴゥンッ!!

豆柴ムテキゲーマーのことについて、尋ねようとした月音をスルーして、スカリエッティは今度はジンガとアミリの二人を空間モニターで映し出す。

「!?」

次の瞬間、月音は空間モニターで映し出されたジンガとアミリを、特にジンガを凝視しながら固まる。

「?月音?」

『大丈夫かい?』

そんな月音に対し、シャトラとスカリエッティは首を傾げながらそう尋ねる。

が、月音は空間モニターに映るジンガから視線を外せずにいる。

「………」ピトッ

「!?」

そんな月音に対し、いつの間にか左肩に乗っていたりゅーきがその頬にピトッと触る。

「あっ……」

それによって正気に戻った月音はりゅーきの方を見る。

「りゅーき……ありがとうね……」

「………」ビシッ‼

月音からお礼を言われたりゅーきは『気にするな』と言わんばかりに片手を上げる。

「すいません。シャトラさん、スカリエッティさん。続きをお願いします。」

(大丈夫……似てはいるけど、あの人とは違う……)

月音はそう思いながら続きを促す。

『あぁ、彼らは男の方はジンガ、女の方はアミリと言って、『Xマジンラー』の幹部であり元魔戒騎士と元魔戒法師である怪人ホラーだ。』

そんな月音に対し、スカリエッティはそう説明する。
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