目を逸らしていたもの

「!?黒い……エターナル?」

(確かに加頭は昔、大道克己に殺されてNEVERになる前に一度エターナルに変身したことはあるけど……それに腰に巻いてるのもロストドライバーじゃなくて……)

「黒いダブルドライバー?」

「これはダークエターナル・アームドユートピア。エターナルメモリと他のメモリを併用する目的で調整・製造されたダブルドライバー…アームドライバーで加頭順が変身した姿だ。」

「アームドユートピア……ということはユートピアメモリを?」

「あぁ、加頭と最も適合率が高いメモリ……このアームドライバーで使用することで加頭の変身するダークエターナルはエターナルの他にユートピアドーパントの“力”を常に使用できる……」

「なるほど……厄介なものになってますね……それに確か、ユートピアドーパントは相手の『希望』…『精神力』をエネルギーに変換することができる筈。消耗が激しいからそれで奪う必要があるが、エターナルメモリと併用するならその必要がないのか………」

「ユートピアの“力”の他にこの姿に変身している加頭は自分に合わせて強化開発したダークエターナルセイバーを用いた武器戦闘も得意とし、克己さんの変身するエターナルと同じように26本のT2ガイアメモリを同時に使用できる……」

ヴゥンッ!!

シャトラがそう言った瞬間、エターナルエッジを黒くして薙刀状にした『ダークエターナルセイバー』と26本のT2ガイアメモリを同時使用したダークエターナル加頭の姿が映し出された空間モニターが展開される。

「ッ……」

(確かに加頭もエターナルに変身したことがあるけど、大道克己と違って基本形態レッドフレアまでが限界だった筈………一度死んでNEVER になったことで適合率が上がったか、『Xマジンラー』が調整したか………その両方なんだろうけど………)

「尚、この他にも加頭は以前、強力なメモリを使用したこともある。」

ヴゥンッ!!

月音がそう考察するなか、シャトラはそう言いながら今度はエルドラドメモリを映し出した空間モニターを展開する。

「!?このメモリは……」

「エルドラドメモリ。ソロモンが開発した『黄金郷』の記憶を宿したメモリは使用すれば、文字通りの『無敵』になるらしい……」

「ッ!?」

「と言っても、『ウェズぺリアこちら』でマキシマムで使われた時は制限時間付きだったんだが……」

「その言い方ということは、制限がなくなったんですね……」

「あぁ、開発者であるソロモンの調整によってな……奴はエターナルとエルドラドの併用で文字通りの『無敵』になった………」

「ッ……」

「まぁ、第九世界と呼ばれる世界に存在する、『ニーベルング』という国の皇帝との共闘で克己さんは『無敵』状態の加頭を一度破ったと……そう克己さん本人からの報告で聞いている。」

「あ。そうなんですか……」

「?」

そう言うシャトラの説明に月音は軽く頭を抱えながらそう言い、りゅーきも首を傾げた。
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