「Ⅵ世……Ⅲ世のひ孫かな………？私は星宮月音。渡さんやキバットとは一応知り合い…かな……」

そんなⅥ世に対し、月音は首を傾げながらもそう言って挨拶する。

「……え？ファンガイアの血筋の人なんですか？」

その後、月音はゆっくりと視線を向けながら、スカリエッティにそう尋ねる。

『さぁて、私自身も造られた存在だからね。何が混ぜられているのか、把握できてないのさ……』

「………」

対するスカリエッティが肩を竦（すく）めるようにしながらそう答えるなか、りゅーきは半分まで減ったバナナミルクを飲むのを再開する。

(……マイペースだな……)

そんなりゅーきを観察しながら、シャトラは密かにそう思う。

「？」

そんなシャトラに対し、りゅーきは一旦飲むのを止め首を傾げる。

尚、りゅーきのバナナミルクはその時点で三分の一まで減っている。

「……バナナパフェも食べるか？」

つ『食べる！！』

そう尋ねるシャトラに対し、りゅーきは目を輝かせながらカンペでそう言う。

(犬耳と尻尾が視える……)

「わかった。ちょっと待っててくれ。」

そんなりゅーきを見て、そう思ったシャトラはそう言いながら再び厨房に消える。

「……あっさりと答えるんですね。聞いといてなんですが、普通はこういったことは言い淀んだりしそうなのに……」

そんなシャトラを横目で見ながら、月音はそう尋ねる。

『先程も言ったが結局のところ、わからないからね。何の血が使われているのか、把握できてないのさ……』

「……隠している私がおかしいのか……？」

対するスカリエッティからの答えに、月音は軽く頭を抱えながらそう呟く。

『まぁ、単に考え方の違いさ。別に言いたくなければ言わなければ良いだけで思い悩む必要など何処にもない……』

「はぁ……」

『さて、他に質問はあるかい？』

「そうですね……じゃあ、どういった経緯でスカリエッティさんはⅥ世の契約者に？」

『他に質問はあるか？』というスカリエッティに対し、月音はⅥ世を見ながらそう尋ねる。

『我がこことは違う異世界、『ムンドゥス』にある森の中で『主』となるべき存在を探して彷徨っている所をツキト・フェルミナに保護されてな……』

「フェルミナにですか？」

『あぁ、事情を聞いたツキトはオーロラで『主』に相応しき者がいる場所に我を送ってくれた……』

『それが偶々、私だったという訳さ。』

首を傾げながらそう尋ねる月音に対し、Ⅵ世とスカリエッティは冷静にそう説明する。

「なるほど……自分の世界にはいなかったのか？」

『……恐らくいなかったのだろうな。気付いたらムンドゥスにいて、ツキトにオーロラで送ってもらった先がスカリエッティだったからな。』

「なるほど……」

「バナナパフェできたぞ……」

首を傾げながら再度そう尋ねる月音にⅥ世がそう答えるなか、人並み程の量のあるバナナパフェを乗せたお盆を持ったシャトラがそう言いながら戻ってくる。

「………」

「………」

が、いつの間にかりゅーきの近くにいた赤い龍のぬいぐるみ、どらぐれっだーを見て固まる。

(増えてる……)

「え～と……一緒に食べるのか？」

つ『食べます！』
つ『食べます！』

「そ、そうか……どうぞ。」

つ『いただきます！』
つ『いただきます！』

シャトラがそう言いながらテーブルの上に置いた直後、りゅーきとどらぐれっだーはカンペでそう言ってから食べ始める。

尚、りゅーきはいつの間にか取り出したmyスプーンで、どらぐれっだーは直接かぷりついて食べている。

「あ。ありがとうございます。」

「別に私が好きでやっていることだから気にしなくて良い。」

二体が食べているのに気付きそうお礼を言う月音に対し、シャトラは冷静にそう言った。