幻想の守護者が次元の守護神を連れてきました

『まぁ、先程の連撃でそれなりにダメージは与えられたと思いますが……どうですか?メイ。』

『黒月姫の言う通り、さっきの連撃で大ダメージを受けているからか、生命反応は弱くなってるけど……まだ残ってはいるから、警戒はしといた方が良いね……』

「わかった。」

黒月姫からの問いにそう答えながら、そう言うメイの言葉を聞いた後、スィンはそう返事しながら、真剣な表情で土煙を見ながら警戒する。

『!?マスター!!真横に跳んで!!』

「ッ!?」

ズガアアアァァァンッ!!

そんななか、メイがそうスィンに警告した次の瞬間、土煙の中から赤黒い炎の“ブレス”がスィン目掛けて、放たれる。

が、事前にメイからの警告を受けていたスィンはすぐさま真横に跳ぶことでその“ブレス”をかわす。

『メイがいてくれて良かったなァ。スィンちゃん。』

「えぇ。でなかったら殺られてたわ。」

『しかし、今の“ブレス”は』

「許さねぇ……俺をコケにしやがって……」

「『『『『!?』』』』」

“ブレス”をかわした後、白月姫とスィンと黒月姫がそう話をするなか、土煙の中からそう言うキラーケルベロスの声が聞こえてくる。

サァァァ・・・

キラーケルベロスの声が聞こえた次の瞬間、土煙が晴れていく。

「!?なっ!?」

『なンだぁ?……ありゃァ……』

『あれは……』

「………」

土煙が晴れた後、中から出てきた、明らかに変貌したキラーケルベロスの姿を見て、スィン、白月姫、黒月姫はそう声を上げる。

キラーケルベロスはその身体が一回り程巨大化し、斬り落とされた四本の触手は六本に増えて再生し、人間のものだった胴体はドラゴンの鱗に覆われ、チーターの足は四本に増え、下半身からはドラゴンの頭が生え、両腕の爪と六本の触手の鎌はさらに鋭く、巨大化していた。

「進化した……?」

「グルルル……」

ポォォォ・・・ッ!!

首を傾げながらスィンがそう言うなか、キラーケルベロスは両腕の爪と触手の鎌に赤黒い魔力を纏わせる。

「グオオオォォォーーーッ!!」

ズババババババババババババァンッ!!

次の瞬間、キラーケルベロスは両腕と触手を振り抜き、赤黒い“魔力刃”を十二弾程、放ってくる。

「ッ!!」バッ!!

パァァァ

ズガガガガガガガガガガガガァンッ!!

が、スィンは22年前、異世界にいる友人の一人である月詠から貰った、雫の形をした蒼い宝石が嵌め込まれた銀の腕輪型の結界発生魔防具で“結界”を展開し、キラーケルベロスの十二弾の“魔力刃”を防いだ。
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