目を逸らしていたもの
「なるほど……」
(そうなると私も『転生者』の類に入るのか?いや、少し難しいな……)
「尚、『Xマジンラー』にも様々な動機でメンバー入りした転生者もいる……」
月音がそう思っているなか、シャトラはそう言いながら今度は燐の姿が映し出された空間モニターを展開する。
「こいつは御劔燐。幹部ではないが強力な人工キメラを生み出すことができる能力を買われて組織に加入した、零斗と同じ転生者なんだが……」
「?だが?」
「……正直、考えがよくわからないんだよなぁ……」
「は?」
「以前、この国で公認の義賊として活動している、私達の協力者である仮面ライダールパンことゾルーク東条さんから聞いた話なんだが」
「ゾルーク東条!?」
(この世界にいるのか!?)
「その様子だとやはり知っていたか……
まぁ、彼のことは後で説明するとして、ゾルーク東条さんから聞いた話だと御劔燐はなんでも『Xマジンラー』に加入する際、『人体実験や人工キメラの材料にするのに子どもに手出ししない』という絶対条件を出していたようでな……
その条件を独断で無視して子どもを人工キメラの素材にしようとした支部を当時、その支部の周辺を調べていたゾルーク東条さんと協力して潰したらしい……」
「『子どもに手出しするな。』なんて条件を出す奴がいるんだ……」
「ゾルーク東条さんが聞いたところ、『自分の子ども時代を思い出すようで胸糞悪いから』らしい。」
燐が『Xマジンラー』に出した『子どもには手出ししない』という条件について、そう呟く月音に対し、シャトラはそう説明する。
(子ども時代を……?)
そんなシャトラの説明に月音がそう思いながら首を傾げるなか、シャトラは更なる空間モニターを展開する。
そのモニターには黒いライダースーツにドラゴンを模した頭部、腹部と腕部、脚部にはクリアレッドの装甲、複眼は鋭くも鮮やかな赤の仮面ライダーの姿が映し出されていた。
腰には赤い獣が描かれた黒いスクラッシュゼリーがセットされたスクラッシュドライバーを装着している。
「ッ!?スクラッシュドライバー!?この世界にはネビュラガスまで……!?それにこのスクラッシュゼリーは……っ!!?」
「これは仮面ライダーベスティア。御劔燐が現在、変身できるビルド系統のライダー。
目的は不明だが『Xマジンラー』と協力関係にある魔王、ソロモンが開発したものを御劔燐に渡したものらしい。」
空間モニターに映し出されている仮面ライダー…ベスティアを見て月音がそう言いながら困惑するなか、シャトラは更にそう説明する。
「ベスティア………何だこのスクラッシュゼリー………?私は知らない…データにない…っ!!」
「?データにないっていうのは?」
月音が口にした『データにない』という単語について、シャトラは首を傾げながらそう尋ねる。
が、月音はモニターに映っているベスティアから目を離せず、言葉を発せれない程に動揺して震えている。
瞳孔も揺れていて、視線も定まらない。
「ブツブツ………」
「………」
聞き取れない程の小さな声でぶつぶつと何かをしきりに呟いている月音を見て、
シャトラは静かに席を立ち、
スッ
「!?」
「落ち着いて。ゆっくりと吸ってぇー、吐いてぇー………」
月音の背中を擦りながら優しい声でそう言い聞かせ始める。
「すぅー……はぁー……すぅー……はぁー……」
対する月音はシャトラに言われるがままにゆっくりと深呼吸した。
(そうなると私も『転生者』の類に入るのか?いや、少し難しいな……)
「尚、『Xマジンラー』にも様々な動機でメンバー入りした転生者もいる……」
月音がそう思っているなか、シャトラはそう言いながら今度は燐の姿が映し出された空間モニターを展開する。
「こいつは御劔燐。幹部ではないが強力な人工キメラを生み出すことができる能力を買われて組織に加入した、零斗と同じ転生者なんだが……」
「?だが?」
「……正直、考えがよくわからないんだよなぁ……」
「は?」
「以前、この国で公認の義賊として活動している、私達の協力者である仮面ライダールパンことゾルーク東条さんから聞いた話なんだが」
「ゾルーク東条!?」
(この世界にいるのか!?)
「その様子だとやはり知っていたか……
まぁ、彼のことは後で説明するとして、ゾルーク東条さんから聞いた話だと御劔燐はなんでも『Xマジンラー』に加入する際、『人体実験や人工キメラの材料にするのに子どもに手出ししない』という絶対条件を出していたようでな……
その条件を独断で無視して子どもを人工キメラの素材にしようとした支部を当時、その支部の周辺を調べていたゾルーク東条さんと協力して潰したらしい……」
「『子どもに手出しするな。』なんて条件を出す奴がいるんだ……」
「ゾルーク東条さんが聞いたところ、『自分の子ども時代を思い出すようで胸糞悪いから』らしい。」
燐が『Xマジンラー』に出した『子どもには手出ししない』という条件について、そう呟く月音に対し、シャトラはそう説明する。
(子ども時代を……?)
そんなシャトラの説明に月音がそう思いながら首を傾げるなか、シャトラは更なる空間モニターを展開する。
そのモニターには黒いライダースーツにドラゴンを模した頭部、腹部と腕部、脚部にはクリアレッドの装甲、複眼は鋭くも鮮やかな赤の仮面ライダーの姿が映し出されていた。
腰には赤い獣が描かれた黒いスクラッシュゼリーがセットされたスクラッシュドライバーを装着している。
「ッ!?スクラッシュドライバー!?この世界にはネビュラガスまで……!?それにこのスクラッシュゼリーは……っ!!?」
「これは仮面ライダーベスティア。御劔燐が現在、変身できるビルド系統のライダー。
目的は不明だが『Xマジンラー』と協力関係にある魔王、ソロモンが開発したものを御劔燐に渡したものらしい。」
空間モニターに映し出されている仮面ライダー…ベスティアを見て月音がそう言いながら困惑するなか、シャトラは更にそう説明する。
「ベスティア………何だこのスクラッシュゼリー………?私は知らない…データにない…っ!!」
「?データにないっていうのは?」
月音が口にした『データにない』という単語について、シャトラは首を傾げながらそう尋ねる。
が、月音はモニターに映っているベスティアから目を離せず、言葉を発せれない程に動揺して震えている。
瞳孔も揺れていて、視線も定まらない。
「ブツブツ………」
「………」
聞き取れない程の小さな声でぶつぶつと何かをしきりに呟いている月音を見て、
シャトラは静かに席を立ち、
スッ
「!?」
「落ち着いて。ゆっくりと吸ってぇー、吐いてぇー………」
月音の背中を擦りながら優しい声でそう言い聞かせ始める。
「すぅー……はぁー……すぅー……はぁー……」
対する月音はシャトラに言われるがままにゆっくりと深呼吸した。