目を逸らしていたもの

ナカムラ家、食堂・・・

「それじゃあ改めて私達、『機動六課』が敵対している組織について、説明するぞ。」

「よろしくお願いします……」

その頃、ナカムラ家の食堂にて、テーブルに着いた月音は正面に座っているシャトラから敵対組織についての説明を受けていた。

「まず、最も敵対し、最も勢力が大きい組織の名は『Xクロスマジンラー』……」

「『Xマジンラー』……やっぱり聞いたことないですね……」

「元はイマジンと『魔界』と呼ばれる世界から人間を喰らいに現れる魔物、ホラーと呼ばれる怪人が手を組んだ組織、『マジンラー』という組織で『魔界列車』と呼ばれる特殊な列車とウィザードの世界に存在する『賢者の石』を利用して人間界を滅ぼそうとしたらしい……」

「?らしいというのは……?」

シャトラが言った『らしい』という単語に対し、月音は首を傾げながらそう言う。

「私達が直接関わるようになったのは奴らの残党が『財団X』の残党と手を組んで『Xマジンラー』となった後なのでな……その前身だった『マジンラー』は電王とウィザード、ホラーを相手に戦っていた『黄金騎士 牙狼ガロ』と呼ばれる戦士の三人と仲間達によって壊滅されたと当時、彼らの仲間として戦っていた、今はノゾミの使い魔である阿号からそう聞いている。」

「なるほど……」

「所属している怪人の種類は先程、話したイマジンとホラーの他にアンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、魔化魍、ワーム、ドーパント、ヤミー、ゾディアーツ、ファントム、インベス、ロイミュード、バグスターにガーディアンと数多く存在している……」

「なるほど……」

(怪人の種類が多いのは『Xショッカー』と一緒だな……)

「また、最近は見ないが、『Xマジンラー』は巨大戦力として何体かの怪獣も配下として従えている……」

「?怪獣と言いますと?」

(巨大グリード暴走態やスコーピオンノヴァみたいな奴らのことか?)

シャトラが言った『怪獣』という単語に対し、月音は首を傾げながらそう尋ねる。

「……実際に観て貰った方がわかりやすいな……」

ヴゥンッ!!

対するシャトラはそう言いながら空間モニターを出す。

空間モニターにはかつて『Xマジンラー』が侵攻目的で送り出したバキシムやガルベロスが映し出されている。

「……え?なにこの巨大生物!?」

(『Xマジンラー』ってこんなものまで保有しているの!?)

「まぁ、怪人は兎も角巨大生物などそうそう生まれないものだからな。困惑するのも無理はない……」

空間モニターに映し出されているバキシムやガルベロスを見て、そう思いながら困惑の声を上げる月音に対し、シャトラは冷静にそう言う。

「……これも『Xマジンラー』の……こちらの次元の財団Xの技術力で造られたものなんですか?」

(だとしたら、『Xマジンラー』の技術力は『Xショッカー』とは別の意味で厄介だ……っ!!)

そんなシャトラに対し、月音はそう思いながら真剣な表情でそう尋ねる。

「いや。正確には『ウルトラマン』という仮面ライダーとはまた違う、平和を護るために戦う戦士達が存在している次元から齒獲されたもので『Xマジンラー』は所謂『闇の力』を以て怪獣達を支配下に置いて使役している……」

「闇の力……」

(アギトみたいなもののことか……?)

「また、『Xマジンラー』は怪人と怪獣の他にガジェットと呼ばれる、ロイミュードやガーディアンとは違う機械兵器やTウイルスと呼ばれるウイルス等を利用して生み出された生物兵器、転生者の能力によって生み出された人工キメラと呼ばれる合成生物も戦力として保有している。」

ヴォンッ!!

『闇の力』について、月音が思案しているなか、シャトラはそう説明しながら空間モニターを出す。

空間モニターには以前の戦闘で『Xマジンラー』が使役してきたガジェットⅠ型、人工キメラ キラーケルベロス、BOW ファルファレルロが映し出されていた。
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