先人からの言葉

「あぁ、『Xマジンラー』というよりソロモンと今回、組んでいるXショッカーの幹部のデェムシュ進化体……奴は俺達が相対した時には既に『剣騎士セイバー』のクラスカードを取り込んで、その“力”を手に入れていやがった………」

「さっきのイタチ君達の話からも考えて、ソロモンが提供したもので間違いあらへん……」

『!?』

「!?『剣騎士』のカードまで……っ!!」

対する和也とはやてからの報告に彩夏やシャトラ達が驚愕するなか、セイバーは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながらそう言う。

「「「「「「「「?」」」」」」」」

「?クラスカードっていうのは何なんだ?」

「あぁ、早い話が英霊サーヴァントの“力”を引き出したり、英霊そのものを召喚するのに用いられるカードの総称だ。」

『クラスカード』という新しい単語に響や月音達が首を傾げるなか、そう尋ねる戦兎に対し、シャトラはそう説明する。

(なるほど……タケルさん達が使う眼魂アイコンみたいなものか……)

「そのカードの“力”なのかはわからへんのやけど、デェムシュは黒い霧のようなものでブラスターに強化変身した私の攻撃を尽く防ぎよった……」

「しかも、サウザンドジャッカーっていう宝具を使って、俺のムテキの“力”をコピーしやがった……」

その説明を聞いて月音が密かにそう理解するなか、はやてと和也は悔しそうな表情でそう報告する。

『!?』

(無敵の力?……まさか……)

「なぁ。“無敵の力”ってどういうことだ?」

そんな和也からの報告を聞いて、彩夏やシャトラ達が驚愕の表情を浮かべ、月音がそう思いながら首を傾げるなか、戦兎がそう尋ねる。

「あぁ、俺はエグゼイドっていう仮面ライダーに変身できたんだが……」

「「「エグゼイド!?」」」

対する和也からの答えを聞いて月音と戦兎、龍我の三人は思わずそう困惑の声を上げる。

「な、なんだよ?」

「え?貴方、この世界のエグゼイドなのか?っていうか『変身できた』?」

そんな三人の反応に怪訝な表情を浮かべる和也に対し、月音は困惑しながらそう尋ねる。

「あぁ、そのことについては後で説明するとして……エグゼイドを知っているならムテキゲーマーのことも知っていると思っていいのか?」

「あぁ……」

「エグゼイドの最強フォームだろ?確か……」

「あぁ……文字通り、無敵の形態だ。」

「厄介な“力”をコピーされてしまいましたね……こちらでもデェムシュ進化体の配下であるヴァルゴゾディアーツとソロモンの配下である戦闘特化型ヒューマギア、パジェントが変身するアルゲンマギアと交戦したのですが……今回の戦闘で高度な分身能力を有していることがわかりました。」

「……は?分身?」

「あ。そうだ。月音に聞こうと思ってたんだが……」

「ヴァルゴゾディアーツって怪人はあんな分身能力なんて始めから持ってたのか?」

そんななか、そう言うティアナからの報告を聞いて思わずそう呆けた声を上げる月音に対し、龍我と戦兎はそう尋ねる。

「いや、空間を操る能力に長けてはいたけど、そんな分身能力なんか持ってなかった筈……」

「……これはあくまで私の推測ですが、ヴァルゴゾディアーツは『暗殺者アサシン』のクラスカードを取り込んで“力”を得たものだと思われます……」

「アサシン……『百の貌のハサン』か……」

「おそらく………」

「百の貌のハサン……どういう謂れがある存在なんだ?」

真剣な表情でそう推測を立てる和也に対し、イタチはそう尋ねる。

「百の貌のハサン……イスラム教の伝承にある暗殺教団、『山の翁』の19代目の長で最低でも八十人の人格を持つ多重人格者。生前は任務や戦況に合わせた人格を表に出すことで臨機応変に対応していたらしい。」

「多重人格者!?しかも八十人!?」

「多すぎだろ!?その数!?」

対する和也からの説明を聞いて、響とクリスは思わずそう困惑の声を上げる。

「あぁ、だから『百の貌』なのか……」

「でも、ちょっと数が足りないような……」

「二十人くらい足りないデス!!」

「いや、問題そこじゃねぇだろ!?」

「……多重人格なのはわかったが、それが分身とどう関係しているんだ?」

そう言う月音と調、切歌の三人に龍我がそうツッコミを入れるなか、戦兎はそう尋ねる。

英霊サーヴァントになったからか、百の貌のハサンは自分の人格に実体を持たせることができるようになったんだ。」

「まぁ、精神と肉体を分割するからその分、個体の戦闘力は落ちるけどな。」

そんな戦兎に対し、シャトラと和也はそう説明した。
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