先人からの言葉

「おや?」

「ん?……誰だ?」

美遊がハルカを見て、目を見開きながら息を呑むなか、二人の存在に気付いた雪那とハルカは首を傾げながらそう尋ねる。

「はじめまして。私は特務GUTS副隊長のアリサ・イリニーチア・アミエーラと申します。カオリの親友、と言えばわかりますか?」

「!?カオリさんの……はじめまして。私は輝原雪那。『Xマジンラー』やソロモンの関係でノゾミさんや『機動六課』の方々に度々、協力させて頂いて、今は嘱託扱いでフェイトさんが部隊長の『SONG』にシンフォギア装者として所属しています。」

「俺はハルカ・エミヤ。雪那の幼なじみで今は雪那と同じ嘱託扱いの仮面ライダーとして『機動六課』に所属しています。」

そんな二人に対し、アリサは冷静にそう自己紹介し、二人もそう自己紹介する。

「雪那さんにハルカさんですね。お二人のことはカオリやシャトラから存じておりました。」

「まぁ、別にそんなたいしたもんじゃないですけど……」

「そういえば、今は会議中なのでは?」

「あぁ、ちょっと彼女の体調が悪そうでしたので途中で退室したんですよ。」

首を傾げながらそう尋ねる雪那に対し、アリサは腕のなかにいる美遊に目線をやりながらそう答える。

「ん?」

「その子は……」

「み、美遊……です……」

自分を見ながら、首を傾げながらそう言うハルカと雪那に対し、美遊は涙を堪えながらそう自己紹介する。

「お、おい。大丈夫か?見るからに泣きそうになってるじゃねぇか。」

「何処か苦しいとか痛いところがあるなら、ネフィーネさんかスカリエッティさんをお呼びしないと……」

「だ、大丈夫です……大丈夫ですから……」

そう言いながら近寄ってくるハルカと雪那に対し、美遊はそう言いながら顔を背けようとする。

(お兄ちゃんに似ているけど、別人………別人なんだ………)

美遊がそう思いながら葛藤するなか、

「………」

「!?」

ハルカが突然、美遊の頭を撫でる。

「ハルカ。なにやってるんですか?」

「あ。いや、こうした方が良いかなと思ったんだが……」

「……ひっ……ぐすっ……!!」

(温かい……)

そう言う雪那にハルカがそう言うなか、ハルカの撫でる手から伝わる温かさが『兄』のものと重なった美遊は涙を流し始める。

「え!?ちょっ、大丈夫」

ダキッ!!

「えぇっ!?」

「うぅ……ぐすっ……!!」

次の瞬間、美遊はアリサに抱き上げられたまま、ハルカに抱きついて泣き始める。

((なんでしょう……この気持ち……))

そんな二人の様子を間近で見て、雪那は美遊に、アリサはハルカに何とも言えない感情を抱いた。
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