蝕む闇

大広間・・・

「どう思う?セイバー。」

「そうですね。恐らくですが、私が過去に対峙したことのあるサーヴァント………第四次におけるキャスター、それから第五次で交戦したライダーだと思われます。それが正しければ、真名はキャスターがジル・ド・レェ、ライダーがメドゥーサとなります。」

主である秀介と共に合流し、イタチから話を聞いた後、そう尋ねる彩夏に対し、現在は秀介の魔武器であるもののかつては第四次、第五次の『聖杯戦争』に『騎士セイバー』として参戦していた『騎士王』、セイバーことアルトリア・ペンドラゴンは真剣な表情でそう答える。

「あの……サーヴァントって何ですか?」

そんななか、未来が聞き覚えのない『サーヴァント』という単語について、首を傾げながらそう尋ねる。

「あぁ、サーヴァントっていうのは……」

そんな未来に対し、彩夏はそう言いながら美遊の方をチラリと見る。

「………」

美遊は見るからに動揺と不安が入り雑じった表情を浮かべている。

「大丈夫?美遊ちゃん。」

「え?」

「見る限り、顔色悪いぞ。」

「だ、大丈夫…です……」

そう声を掛けてきた響とクリスに対し、美遊はそう言ってなんとか取り繕うとする。

が、表情は曇ったままだった。

「………」

「!?」

「少し具合が悪そうなので、すみませんが、先に退室させて頂きますね。」

「わかった。」

そんな美遊の心情を察したのか、アリサはそう言いながら、美遊を抱き上げながら共に退室した。
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