蝕む闇

「ノゾミ………」

「セッテ………」

「ここ、良い?」

「……うん……」

その頃、ノゾミの見舞いにきたセッテはそう言いながらベッドに腰掛ける。

「……セッテも私のこと、責めるの……?」

「……責めないよ。もう他の誰かから言われただろうし。少なくとも私は、ノゾミの味方でいたいから……」

ベッドの上で体育座りしながら、塞ぎ込みながらそう尋ねるノゾミに対し、学園で美咲から受けた喝で割り切ることができたセッテは比較的穏やかな表情でそう答える。

(すぐに割り切れない気持ちはわかる。でもいつまでも引き摺ってたら、いずれそれに押し潰される……)

「……変われるかな……私……」

「変われるよ。ううん、変わらなきゃいけないんだ。皆………」

(そうならないためにも、一緒に変わるためにも私はこれからも私はノゾミの側にいる……それが私の『希望やくそく』で最期まで押し通すって決めた主張だから………)

「ノゾミ……挫けたって良い、迷ったって良い。大事なのは一度着いた膝を上げて挑み続けることなんだ。それをどれだけ続けられるか………」

「………」

「ってこれは義母さんからの受け売りなんだけどね。」

「彩夏さんから?」

「うん。ここでノゾミをドクターに引き渡した後でーーー」
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