蝕む闇

「「「「「博麗シリーズ!?」」」」」

「霊夢さんと同じ……!?」

「?なぁ、その博麗シリーズって何なんだ?」

そんな詩音の自己紹介を聞いてスバルとティアナ、マリア、ヴィヴィオ、ヴェルザ、フランの六人がそう困惑の声を上げるなか、クリスは首を傾げながらそう尋ねる。

「『博麗シリーズ』とは夢想おもい現実かたちにする“力”、『博麗の力』を持つ母、博麗零華がこの世界を含めた全次元の脅威になりつつある組織、『Xマジンラー』に対抗するために自身の遺伝子を元に産み出した六人の姉妹……」

「その六人の内の二人が私と詩音姉さんよ。」

「遺伝子を元に産み出したって……」

「クローンってことデスか!?」

そんなクリスにそう説明する詩音と霊夢の言葉に響と切歌はそう困惑の声を上げる。

「まぁ、平たく言えばそうなるわね。」

「へぇ……」

「エルフナインちゃんとキャロルちゃんと違って、霊夢さんと詩音さんは髪や眼の色が違うんですね……」

「いや、あたしも詳しくないけど、ホムンクルスとクローンは違うと思うぞ。」

そんな二人に腕を組みながらそう言う霊夢と詩音を響がそう言いながら交互に見るなか、二人の違いについて、そう言う未来に対し、クリスはそう言う。

「六人のクローン……」

「「………」」

ズズッ

「マズいっ……」

詩音と霊夢の話に月音と戦兎、龍我の三人が若干動揺するなか、エボルトはいつの間にか自分で淹れたコーヒーを飲む。

「………そういえば、フェイト姉さんもそうなんだよなぁ………」

「………は?」

「フェイト姉さんだ。フェイト姉さんもアリシア姉さんの遺伝子から生まれたクローンなんだ。」

「………はぁぁぁぁぁっ!!?」

「フェイトさんも!?」

そんななか、そう言うシャトラの説明にクリスと響はそう困惑の声を上げる。

「アリシア姉さんが母親であるプレシアさんに『妹が欲しい。』とねだった結果らしい。」

「へぇ………」

「よく認められたな……」

「まぁ、フェイト姉さんの話はこれくらいにして……イタチさん、詩音さん。話の続きをお願いします。」

「あぁ……」

「私達が次元を超えてきた理由の一つは先程、イタチさんが仰ったようにこちらの次元の『ミッドチルダ』から観測された高エネルギー反応を調査するためです。」

響とクリスがそう言うなか、シャトラに続きを促されたイタチと詩音はそう話し始める。

「高エネルギー反応………」

「そういやぁさっきもそんなことを言ってたな……」

「尚、俺達が観測したエネルギーの発生源はこの子だということはウェズペリアこちらに来る前に判明している……」

詩音が言った『高エネルギー反応』という単語に未来とクリスがそう言うなか、イタチはアリサの隣にいる美遊を見ながらそう言う。

「!?」

「え!?」

「この子がデスか!?」

「あぁ、この子の身体には別次元の『時空管理局』が感知する程の膨大なエネルギー……魔力が宿っている……それも永久機関並みの魔力がな………」

対する美遊が若干動揺するなか、そう困惑の声を上げる響と切歌に対し、イタチは冷静にそう説明する。

「永久機関ってマジかよ……」

「え~と……」

「え、衛宮美遊です……」

「美遊ちゃん。さっき、イタチさんが言っていたことに何か心当たりない?」

そんなイタチの説明にクリスがそう言うなか、未来はそう尋ねる。

「し、知らないです!何も………」

「………」

対する美遊はすぐさま身体を震わせながらそう否定し、隣にいたアリサはそんな美遊を静かにそっと抱き寄せる。

(こいつは何か訳アリだな……)

「何故、この子にそんな膨大な魔力が宿っているかはわからない。が、現状、ソロモンと名乗る者がこの子を狙っていることが判明している。」

『ソロモンッ!?』

「ッ!?」ビクッ!!

そんな美遊の様子に月音が密かにそう思うなか、イタチが口にしたソロモンの名に響やスバル達がそう困惑の声を上げ、セレナは思わず肩を震わせる。

「!おい。そいつ、大丈夫か?」

「セレナ……」

そんなセレナの様子に気付いた克己がそう言い、マリアはそう声をかける。

「だ、大丈夫です……続けてください……」

対するセレナはそう言いながら話の続きを促す。

「あぁ……俺と詩音がこの子の反応を感知してきた直後、多数のヒトデのような奇怪な使い魔を操る男がこの子を狙って襲いかかってきた……」

「ヒトデのような……?」

「ノイズじゃねぇな……」

「………」

「?彩夏姉さん?」

促されたイタチが言う『ヒトデのような奇怪な使い魔』という単語に響とクリスがそう言うなか、神妙な顔を浮かべる彩夏に対し、シャトラがそう声をかける。

「……イタチさん、その男の具体的な特徴はありますか?」

対する彩夏は真剣な表情でそう尋ねる。

「あぁ……確か、幾重にもローブと貴金属に身を包んだ、広く剥いた目の蛙のような顔をした大男だな……」

「……なるほど……」

「?彩夏姉さん?」

対するイタチからそう聞いた後、真剣な表情でそう呟く彩夏に対し、シャトラは首を傾げながらそう尋ねる。

ピッ!!

「秀介、ちょっと良い?」

『彩夏?どうしたんだ?』

が、彩夏はすぐさま夫である秀介と連絡を取る。

「急で悪いんだけど、ちょっとセイバーを連れてこっちに来てくれない?もしかしたら、セイバーの知識が必要になるかも……」

『!?わかった……今からそっちに行く。』

「うん。」

ピッ!!

「彩夏姉さん、何かわかったんですか?」

秀介との連絡を終えた彩夏に対し、シャトラはそう尋ねる。

「もし、今、考えていることが正しかったら……ちょっと厄介かもしれない………」

対する彩夏は真剣な表情でそう答えた。
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