凶鳥が狂奔する時、雷光は散る。

勇華・彼岸花フォームフェイト・千景VSサマエルデスガン・・・

「『はぁ……はぁ……』」

「く、く、く……どう、した?おまえ、達の、“力”、は、この程度、だったか……?」

肩で息をしながら大葉刈を構える勇華に対し、ソロモンが開発した新たなダークライダー、仮面ライダーサマエルに変身したデスガンはソロモンクラッシュライザーを構えながらそう言う。

「強い……」

『悔しいけど、さっきとは比べ物にならないわ……』

「く、く、く……」

ドンッ!!

対する勇華がそう言うなか、サマエルはダークスカルの時よりも速いスピードで肉簿しながら、クラッシュライザーの深紅のエストック状の刀身で刺突しようとしてくる。

「くっ!!」

勇華フェイトは紙一重でかわしながら、大葉刈で横凪ぎにしようとする。

「甘い!!」

が、サマエルデスガンは蛇のようなしなやかな動きで姿勢を低くすることでかわしてみせる。

「フッ!!」

「くっ!!」

その直後、サマエルデスガンは今度は下から刺突しようとし、勇華フェイトはそれを紙一重でかわす。

が、ダークスカルよりも鋭く、素早い刺突は勇華フェイトの左肩をかする。

ガチャッ!!

「!?」

ズガァンッ!!

「くぅぅぅっ!?」

更にその直後、サマエルデスガンは間髪入れずにクラッシュライザーの銃口を突きだして赤黒いエネルギー弾を放ち、勇華フェイトは上半身を捻るようにしてなんとかその銃撃をかわす。

(こっちの動きが読まれている……!?)

「フッ!!」ガッ!!

「あっ……!?」

『姉さん!!』

サマエルデスガンの動きに勇華フェイトがそう困惑するなか、サマエルデスガン勇華フェイトに足払いをかけ、仰向けに倒す。

「フッ!!」

「くっ!!」

ズガァンッ!!

直後にサマエルデスガンがクラッシュライザーから放ったエネルギー弾を、勇華フェイトはハンドスプリングからロンダートで後退しながら、距離を取りながらかわす。

「“ライトニングランサー”!!」

ズドォォォンッ!!

距離を取った後、勇華フェイトは“ライトニングランサー”を放つ。

「ふんっ!!」ガシッ!!

バキィィィンッ!!

が、サマエルデスガンは左手で“ライトニングランサー”を掴み、握り潰す。

「『!?』」

『ヴェノム!!』

“ライトニングランサー”が握り潰されたことにフェイトと千景が驚愕するなか、サマエルデスガンはクラッシュライザーに装填したイーヴィルスネークゼツメライズキーのスィッチを押し、トリガーを引く。

『マレフィックスプラッシュ!!』

パァァァ……

すると次の瞬間、そう言う音声と共にクラッシュライザーのエストック状の刀身に赤黒いエネルギーが纏われ、サマエルデスガンは自身が得意とする技、『スタースプラッシュ』を放つ体制に入る。

「ッ!!」

『あの構えはさっきの……っ!!』

「千景!!」

『えぇっ!!』

パァァァ……

対する勇華・彼岸花フォームフェイトと千景はそう話しながら大葉刈に金色がかった空色の光を纏わせ、構える。

「フッ!!」

「『ッ!!』」

ガキキキキキィンッ!!

次の瞬間、サマエルデスガンが繰り出す八連撃の内の最初の五連撃の刺突を、勇華・彼岸花フォームフェイトと千景は正面に向けての横凪ぎ、空中へ跳び上がりながらの垂直切り上げ、左袈裟切り、右袈裟切り、垂直切り上げで相殺させる。

シャアアアァァァッ!!

バチバチバチッ!!

そんななか、サマエルデスガンのクラッシュライザーに纏われていたエネルギーが赤黒い光の大蛇に変わり、勇華・彼岸花フォームフェイトと千景の大葉刈に纏われていた光からは彼岸花の花弁が舞い散りながら雷が迸る。

『マレフィックスプラッシュ!!』

「『“ディストピアリーパー”!!』」

次の瞬間、サマエルデスガンが繰り出す三連撃の刺突に対し、勇華・彼岸花フォームフェイトと千景はそう言いながら、回転しながらの三連撃の振り下ろしを放つ。

ガキキィィィンッ!!

二連撃までは相殺させるもーーー

ガァァァァンッ!!

「『きゃあああぁぁぁっ!!?』」

ーーー最後の一撃は遂に競り負けて大きく吹き飛ばされてしまった。
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