帰ってきた“永遠”の“皇帝”

ガキキキ……ッ!!

その頃、阿号の左腕の剣とジンガの魔戒剣がぶつかり合い、両者はそのまま鍔競り合いをする。

「フッ!!」ヒュッ!!

「へっ!!」

ガキィィィンッ!!

そんななか、阿号が振るってきた右腕の剣をジンガは鞘で受け止める。

ヒュッ!!

直後、ジンガの尻尾が串刺しにしようと襲いかかってくる。

ヒュッ!!ガキィィィンッ!!

が、阿号の触手が弾いて防ぐ。

「ちぃ……っ!!」

「フッ!!」

「!?」

ガキィィィンッ!!

次の瞬間、阿号はジンガの魔戒剣と鞘を弾き上げ、

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐっ!?」

回し蹴りを食らわせて蹴り飛ばす。

「ぐっ……野郎……っ!!」

蹴り飛ばされたジンガはそう言いながら体制を整え、魔戒剣を構え直す。

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

「グオオオォォォッ!?」

が、それよりも早く放たれた、阿号の短剣型の弾幕が全弾命中する。

「くっ……僕も……!!」

そんななか、ツキトもそう言いながら立ち上がろうとする。

「デモ君、ダメージガ酷イデショ?」

「!?」

が、背後から聞こえる、少年のような声に咄嗟に振り向く。

「大丈夫!僕ニ任セテ!!イックヨォー……ッ!!」

すると、大きな可愛らしい目が二つ付いたプリンみたいな色合いのスライムがそう言いながら身構えていた。

「………」

ツキトは一度戦っている阿号とジンガの方に視線を戻してから

「!?!?!?」バッ!!

もう一度、謎の喋るプリンスライムの方を見る。

ズボォッ!!

「んがぁっ!?」

が、その瞬間、プリンスライムがツキトの口の中に突っ込み、喉を通って胃の中へと流れ込んでいく。

「ゲホッ!?ゲホッ!?なんだ!?今のスライム……」

パァァァ……

「!?傷が……っ!!?」

すると次の瞬間、先程、ジンガに負わされた傷が全快する。

(さっきの謎スライムのおかげ……?)

「ッ……とりあえず……!!」

謎の喋るプリンスライムが体内に入り込むと同時に全快したことに疑問を抱きながらもツキトはそう言いながら立ち上がる。

「変身!!」

『フュージョン』

パァァァ……ッ!!

ズズズ……ッ!!

ツキトが力強くそう言った瞬間、その音声と共にバックルから光と闇が生まれ、ツキトを包み込む。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、ツキトは白みがかった灰色のスーツに黒みがかった灰色のアーマー。

アーマーの縁には金と銀が混ざったような色合いのライン。

アーマーには金と銀が混ざった色合いの蛇が描かれていて、光の加減と角度、見る位置によっては翡翠にも真紅にも見える不思議な複眼になったカドゥケウス……

自身の光と闇を受け入れた新たな姿、カドゥケウス・カオススタイルに変身した。
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