帰ってきた“永遠”の“皇帝”

エボルトVSジャガーロード三体・・・

「エボルト……!?」

「何故、コノ世界二……ッ!?」

「ほぅ……俺を知っているとはおまえら、俺のファンか何かか……?」

そう困惑の声を上げるルテウスとトリスティスに対し、フランエボルトはそう言いながら腕を回したり、掌を軽く開いたり握ったりして具合を確かめる。

(ふむ。久しぶりに変身したが、問題はないどころか出力が元の『フェーズ1』以上に出せそうな感覚もある……どうやら俺とフランの相性が良すぎたみたいだな………)

「………」スッ

具合を確かめながらフランエボルトがそう思うなか、アルビュスが『傲慢の弓』を構える。

(このまま憑いたままだと細胞が増えるが、フランとは面と向かって会話とかできないしなぁ……それに兎の身体も気に入ってるし、うん、フランの意識が目覚めたら兎に戻ろう。)

シュパァァァンッ!!

そんななか、アルビュスがエネルギー矢を放ってくる。

「っと。」パシッ!!

「「「!?」」」

が、フランエボルトは易々と片手でエネルギー矢を掴み、

「フッ!!」

ズドォォォンッ!!

「グオオオォォォッ!?」

掌の中で向きを回転させ、ダーツ投げの要領で投擲してアルビュスの右肩を貫く。

「グオオオォォォーーーッ!?」

「ふん。少しはフランが味わった痛みが理解できたかぁ?まぁ、『ここ』に比べたらマシだろうがな。」

「「グオオオォォォーーーッ!!」」

貫かれた後、右肩を押さえながらのたうち回るアルビュスに対し、腹部を指差しながらそう言うフランエボルトにルテウスとトリスティスは雄叫びを上げながら襲いかかってくる。

「おいおい……少しでも頭にキてんのは俺の方なんだがな……っ!!」

対するフランエボルトはそう言いながらルテウスの爪とトリスティスの『貪欲の槍』をいなしていく。

「フッ!!」ガッ!!

「!?」

そんななか、フランエボルトはトリスティスの手から『貪欲の槍』を蹴り上げ、

「頂き!!」パシッ!!

「!?」

ズドォォォンッ!!

奪ってそのままトリスティスに突き刺す。

「フッ!!」

ズガガガガガァァァンッ!!

「グオオオォォォッ!?ォ……」

ドサッ!ドッカァァァンッ!!

その直後、フランエボルトは取り出したトランスチームガンでルテウスに数弾のエネルギー弾を食らわせて撃破し、

「グオオオォォォーーーッ!?」

ドッカァァァンッ!!

トリスティスは突き刺した『貪欲の槍』を通じて破壊エネルギーを流し込み、内部から爆破させて撃破する。

「さて、残るはおまえだけか……」ポイッ

「グッ………」

二体のジャガーロードを撃破した後、そう言いながら、奪った『貪欲の槍』を投げ捨てながら歩み寄ってくるフランエボルトに恐怖したのか、アルビュスは貫かれた右肩を押さえながら後退る。

「そういやぁさっき、おまえの仲間がフランを『あの中』に押し込もうとしてたなぁ……」

「!?」

シュウウウウウウウッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

シュウウウ……

そんななか、フランエボルトがそう言った瞬間、近くで発生したブラックホールにアルビュスが吸い込まれ、その場から消える。

「……代わりにおまえが『その中』に逝きな。」

そう言うフランエボルトの視線の先には先程、ルテウスがフランを押し込もうとした木があり、その幹からアルビュスの腕が飛び出し、ぶらりと垂れていた。
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