帰ってきた“永遠”の“皇帝”

「凄い………」

ドーパントに全くの反撃を許すことなく圧倒し、撃破してみせた克己の強さにセレナが思わず見惚れながらそう呟くなか、

シュルルルルルルルッ!!

「!?」

「ぷーっ!?」

何処からか伸びてきた鎖がセレナと兎を拘束する。

「!?」

「そこまでにして頂きましょうか。大道克己……」

次の瞬間、克己がRナスカドーパントを圧倒している隙に蜃気楼で姿を消し、隙を突いて鎖…ウェザーマインでセレナと兎を拘束したウェザードーパントがそう言いながらセレナの背後に現れる。

「フフフ……近くで見るとなかなか美しいお嬢さんですねぇ……兎とセットで氷像にでもすれば素晴らしい『芸術作品』になるでしょう……」

「あっ……!?」

そう言いながら頬を撫でてくるウェザードーパントにセレナは小さく悲鳴を上げながら恐怖の表情を浮かべる。

「………」

一方、セットにされた兎はエボルトの細胞の影響からか、ドン引きした目でウェザードーパントを見る。

(なんで兎があんな目してんだ……?)

「さぁ、マントと武器をこちらに向けて投げてください。大道克己。従わなければ……わかりますよね?」

そんな兎を思わず二度見しながらそう思う克己に対し、ウェザードーパントはセレナを人質にしながらそう要求する。

(我々が得ている情報のエターナルと同じ“力”を持っているならば、あのマントにはこちらの能力を無効化する“力”がある……あれがある限り、こちらの攻撃は届かない………)

「さぁ、どうします?大道克己。いや、仮面ライダー!!」ジャラッ!!

「あっ……!?」

ウェザードーパントはそう思いながら、そう言いながらセレナを拘束しているウェザーマインの縛りを強める。

「………」スッ

対する克己はエターナルエッジを刃先を下に向けながら取り出す。

「おっと!おかしな真似はしないでくださいよ?ゆっくりとこちらに投げてください。」

「ちっ……」シュッ!!

カランカランッ!!

が、すかさずそう言うウェザードーパントに舌打ちしながら、克己はエターナルエッジをゆっくりと放り投げる。

「さぁ、次はマントです。」

「………」

ウェザードーパントに言う通りに克己はマント…『エンペラーローブ』を手にかける。

「……フッ!」

バサァッ!!

ズガァァァンッ!!

「ぐはぁっ!?」

「あっ……」

「ぷーっ?」

が、克己がエンペラーローブを脱ぎ捨てた瞬間、まるで克己の意思を宿したかのようにエンペラーローブがウェザードーパントに体当たりする。

それにより、ウェザードーパントはウェザーマインを手放し、セレナと兎が解放された。
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