VALZ編
姫矢下町医院・・・
カランカラーンッ!!
「カエル先生~。」
「やぁ。亨多君、いらっしゃい。孟君も戦闘と患者の搬送、お疲れ様。」
「今日も頼みます。先生。」
陽気に入ってきた亨多にそう言ってからそう労いの言葉をかけてきたカエルのような顔の町医者、アラン・べネットに対し、孟はホームレスを背負いながらそう言う。
「準備はできてる。そこの診察台の上に寝かせてくれ。」
「はい。」
『昨夜未明、羽田上空にて先月から存在が確認されている突然変異体『アンゲロス』とは別の未確認生物と思しき目撃情報が入りました。目撃したJ-97便のパイロットや乗客達の証言によると、『まるでファンタジー映画に出てくるワイバーンやグリフォン』のようなものだったとのことです―――』
孟がホームレスを診察台の上で横にさせるなか、待合室で点けていたテレビからそう言うニュースが流れてくる。
「なんか最近、多いよね。アンゲロスとは違う未確認生物の目撃情報……」
「まぁな。でも、警察はともかくガンバライジング社の人達が調べても何の痕跡もなかったって話だし。大丈夫だろ。」
「案外、こういった話が新たな戦いの前振りだったりして……」
「やめろよ。『ReBUILD』も姫矢グループもなくなって、世界が元に戻ってノゾミちゃんや勇騎さん達も自分達の世界に帰ってったってのに縁起でもない……」
「うん。孟君との戦闘で負った打撲と火傷の痕が目立つけど、一週間くらいここで治療を受ければ元通りに治るよ。」
「で、でも、俺、金が……」
「心配しなくてもアンゲロス化していた人間のここでの治療費はガンバライジング社が負担してくれるよ。勿論、他言しないことが絶対条件だけどね。」
ニュースを観ながら亨多と孟がそう話をするなか、治療費の心配をするホームレスに対し、アランは笑顔でそう言う。
「君はツイてる。」
「ノゾミちゃんか……セッテちゃんと仲良く元気にやってるかな………」
「まぁ、勇騎さんや輝達と同じように自分達の世界が元に戻って、大切な家族や友達のところに帰れたんだ……きっと笑顔で楽しくやってるよ……」
「あぁ、そういえば一週間くらい前かな。勝利君とノエルちゃんから久しぶりに連絡を貰ってね。」
『ジニア動乱』の中でほぼ仲違いしたまま別れることになった少女のことで少し暗い表情になりながらそう話す亨多と孟に対し、アランはそう話しかける。
「!?ショーリとノエルちゃんから!?」
「!?」
「今日辺り、久しぶりに帰ってくるらしいよ。」
「そっかぁ……ショーリとノエルちゃんが……」
「よしっ!だったら今夜は久しぶりの鍋パーティーだ!!」
「だね!!カエル先生も一緒にどう!?」
「フフ……そうだね。診察が終わったらお邪魔させてもらうよ。」
勝利とノエルが久しぶりに帰ってくるという報せに三人が盛り上がるなか、
ヴィーッ!!ヴィーッ!!
「「「!?」」」
街中に出現したアンゲロスを探知するセンサーから警告音が鳴り響く。
ヴィーッ!!ヴィーッ!!
「どうやらまた『急患』が入ったようだね。」
「またアンゲロスか!!」
「カエル先生、数はわかりますか?」
新たに出現したアンゲロスの数について、亨多はそうアランに尋ねる。
「ふむ……商店街に四体のアンゲロスが出てきたみたいだね。ん?これはどういうことだ……!?」
「どうしたんですか?先生。」
「四体だった反応が急に十体に増えている……!!」
「はぁ!?なんで!!?」
「とにかく急ごう!はじにゃん!!」
「あ、あぁ!!」
そうして孟と亨多の二人は慌てて新たに出現した十体のアンゲロスの方に向かう。
「……彰一……サイマ……」
その後、残されたアランはそう言いながら窓際に置かれた写真を見つめる。
「今もまだこの世界には問題が山積みだ。
毎日のように怪物が現れ、若者達が命を賭けて戦っている。
自分達が傷つこうが、誰からも称賛されなかろうが、だ……
だが、それでも君達の意思を受け継ぐものがいたんだ。
どうか見守っていてくれ……」
アランがそう言いながら見つめる写真にはアランの他に勝利の両親である椿彰一と椿叶苗、ノエルの父親である『サイマ』ことジニア・ロックディールと母親であるノアール・ロックディール、二人の息子でノエルの兄であるジル・ロックディールの五人が写っていた。
カランカラーンッ!!
「カエル先生~。」
「やぁ。亨多君、いらっしゃい。孟君も戦闘と患者の搬送、お疲れ様。」
「今日も頼みます。先生。」
陽気に入ってきた亨多にそう言ってからそう労いの言葉をかけてきたカエルのような顔の町医者、アラン・べネットに対し、孟はホームレスを背負いながらそう言う。
「準備はできてる。そこの診察台の上に寝かせてくれ。」
「はい。」
『昨夜未明、羽田上空にて先月から存在が確認されている突然変異体『アンゲロス』とは別の未確認生物と思しき目撃情報が入りました。目撃したJ-97便のパイロットや乗客達の証言によると、『まるでファンタジー映画に出てくるワイバーンやグリフォン』のようなものだったとのことです―――』
孟がホームレスを診察台の上で横にさせるなか、待合室で点けていたテレビからそう言うニュースが流れてくる。
「なんか最近、多いよね。アンゲロスとは違う未確認生物の目撃情報……」
「まぁな。でも、警察はともかくガンバライジング社の人達が調べても何の痕跡もなかったって話だし。大丈夫だろ。」
「案外、こういった話が新たな戦いの前振りだったりして……」
「やめろよ。『ReBUILD』も姫矢グループもなくなって、世界が元に戻ってノゾミちゃんや勇騎さん達も自分達の世界に帰ってったってのに縁起でもない……」
「うん。孟君との戦闘で負った打撲と火傷の痕が目立つけど、一週間くらいここで治療を受ければ元通りに治るよ。」
「で、でも、俺、金が……」
「心配しなくてもアンゲロス化していた人間のここでの治療費はガンバライジング社が負担してくれるよ。勿論、他言しないことが絶対条件だけどね。」
ニュースを観ながら亨多と孟がそう話をするなか、治療費の心配をするホームレスに対し、アランは笑顔でそう言う。
「君はツイてる。」
「ノゾミちゃんか……セッテちゃんと仲良く元気にやってるかな………」
「まぁ、勇騎さんや輝達と同じように自分達の世界が元に戻って、大切な家族や友達のところに帰れたんだ……きっと笑顔で楽しくやってるよ……」
「あぁ、そういえば一週間くらい前かな。勝利君とノエルちゃんから久しぶりに連絡を貰ってね。」
『ジニア動乱』の中でほぼ仲違いしたまま別れることになった少女のことで少し暗い表情になりながらそう話す亨多と孟に対し、アランはそう話しかける。
「!?ショーリとノエルちゃんから!?」
「!?」
「今日辺り、久しぶりに帰ってくるらしいよ。」
「そっかぁ……ショーリとノエルちゃんが……」
「よしっ!だったら今夜は久しぶりの鍋パーティーだ!!」
「だね!!カエル先生も一緒にどう!?」
「フフ……そうだね。診察が終わったらお邪魔させてもらうよ。」
勝利とノエルが久しぶりに帰ってくるという報せに三人が盛り上がるなか、
ヴィーッ!!ヴィーッ!!
「「「!?」」」
街中に出現したアンゲロスを探知するセンサーから警告音が鳴り響く。
ヴィーッ!!ヴィーッ!!
「どうやらまた『急患』が入ったようだね。」
「またアンゲロスか!!」
「カエル先生、数はわかりますか?」
新たに出現したアンゲロスの数について、亨多はそうアランに尋ねる。
「ふむ……商店街に四体のアンゲロスが出てきたみたいだね。ん?これはどういうことだ……!?」
「どうしたんですか?先生。」
「四体だった反応が急に十体に増えている……!!」
「はぁ!?なんで!!?」
「とにかく急ごう!はじにゃん!!」
「あ、あぁ!!」
そうして孟と亨多の二人は慌てて新たに出現した十体のアンゲロスの方に向かう。
「……彰一……サイマ……」
その後、残されたアランはそう言いながら窓際に置かれた写真を見つめる。
「今もまだこの世界には問題が山積みだ。
毎日のように怪物が現れ、若者達が命を賭けて戦っている。
自分達が傷つこうが、誰からも称賛されなかろうが、だ……
だが、それでも君達の意思を受け継ぐものがいたんだ。
どうか見守っていてくれ……」
アランがそう言いながら見つめる写真にはアランの他に勝利の両親である椿彰一と椿叶苗、ノエルの父親である『サイマ』ことジニア・ロックディールと母親であるノアール・ロックディール、二人の息子でノエルの兄であるジル・ロックディールの五人が写っていた。