VALZ編

「くっ……あんた……」

「誰だ……?」

「……雪那せつな……輝原きはら雪那と申します……」

「輝原……」

「雪那……」

「ガアアアァァァーーーッ!!」

輝と勇騎にそう名乗る少女、雪那に対し、漆黒のライダーが襲いかかってくる。

「!?」

「!?危ねぇっ!!」

そのことに気付いた二人がすぐさま立ち上がろうとする。

「フッ!!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

が、雪那は姿勢を低くすることでその攻撃をかわし、

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

「グォォォォォッ!?」

カウンターで回し蹴りを食らわせ、蹴り飛ばす。

「「えぇっ!?」」

「生身で蹴り飛ばしたぁっ!?」

「………」スッ

そのことに孟と享多、理緒の三人がそう困惑の声を上げるなか、雪那は『M』と描かれた白銀のガイアメモリを取り出す。

「!?ガイアメモリ!?」

「しかもあんなメモリ、見たことない……」

そのガイアメモリを見て、輝と勇騎はそう困惑の声を上げる。

「?おや?」

そんな二人を他所に雪那はそう言いながら取り出したメモリを観察する。

(“エクシード”ではなくなっている……『この世界』の影響でしょうか……)

「ガアアアァァァーーーッ!!」

「おっと……」

そう思案するなか、雪那は再度襲いかかってきた漆黒のライダーの手刀を紙一重でかわし、

ドカァァァンッ!!

「グッ!?」

カウンターで顎に蹴りを入れながら、バク転しながら距離を取る。

『ミラクル!!』

距離を取り、着地すると同時に雪那は取り出した白銀のガイアメモリ…『ミラクルメモリ』を起動させる。

パァァァ・・・ガチャンッ!!

すると、左側のスロットが傾かないように固定され、既に『EX』と描かれたガイアメモリが挿入され、一体化していた白いダブルドライバー、ミラクルドライバー2Sツーエスが出現し、雪那の腰に装着される。

「どうやら『こっち』は使えるようですね……」

「!?白いダブルドライバー……!?」

「けど、なんか違う……?」

「エクストラスロット、オン・・・変身!!」

輝と勇騎がそう言いながら困惑するなか、雪那がそう言いながらバックルの上部の中央にあるスィッチを押し、ミラクルメモリを右側のスロットに挿入して傾かせる。

『ミラクル!!エクストラドライブ!!』

ボオオオォォォッ!!

するとその瞬間、そう言う音声と共に白銀の炎が雪那を包み込む。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、雪那は菫色の複眼は西洋騎士の兜のようなもので覆われ、胸部の鎧は女性らしさを強調するように僅かながらに膨らみ、腰から下にはスカートを模したような布が付いた・・・全体的には姫騎士のような白銀の仮面ライダー、仮面ライダーミラクル2Sツーエスに変身した。

「「「「「「!?」」」」」」

「さぁ、奇跡に魅せられなさい。」
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