VALZ編

翌日、公園内・・・

「♪」

昼休みに入った一人のOLが弁当が入った包みを片手にルンルン気分で訪れていた。

「美味そうな臭い……」

「!?」

そんなOLの前にボロボロのコートを着たホームレスの男がそう言いながら現れる。

「えっと……ごめんなさい。これは私のお昼のお弁当で」

「そんなもんはいらねぇ……俺が欲しいのはあんただ……」

パアアアァァァッ!!

その瞬間、眩い光がホームレスの身体を包み込む。

パキィィィンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!!」

次の瞬間、ホームレスは異様に長い両腕に剣のように鋭く尖った頭部、皮膚が半透明なせいで内蔵が見える胴体、背中には天使のような翼、頭上にも天使のような輪、腹部のバックルには『ヴァイトップ』と呼ばれる宝石が埋め込まれた怪人、イカの特性を持つアンゲロス、スクウィッドアンゲロスに変貌する。

「きゃあああぁぁぁーーーっ!?」

「グオオオォォォーーーッ!!」

ホームレスが変貌したスクウィッドアンゲロスの異様な姿に思わず弁当を落としながら悲鳴を上げるOLに対し、スクウィッドアンゲロスは雄叫びを上げながら両腕を伸ばし、OLを捕まえようとする。

「危ねぇっ!!」

「「!?」」

が、横からツンツン頭に色黒、青い瞳の大柄な少年がそう言いながら、OLを庇いながら攻撃をかわす。

「何ダ!?テメェハ!!」

「大丈夫ですか?」

「え、えぇ、あなたは?」

「まぁ、通りすがりのヒーローってやつです。はい。」

「はじにゃん!今はアンゲロス!!」

戸惑いながらそう尋ねるOLにそう答える少年、鈴村すずむらはじめに対し、少し遠い所から彼の仲間で友人である、背は低く独創的な髪型にぐるぐる眼鏡をかけた少年、神谷かみや亨多こうたはそう言う。

「おっと、そうだった。ここは俺達がどうにかするからあんたは逃げてくれ。早く!!」

「ッ・・・ごめんなさい!!」

OLはそう言いながら一目散に逃げていく。

「テメェ・・・ヒトノ『食事』ノ邪魔ヲ・・・」

そう言うスクウィッドアンゲロスの言葉の最中、孟は一つのカプセル・・・ライダーカプセルを取り出し、構えながら立ち上がる。

そのライダーカプセルには見たことのない仮面ライダーが描かれている。

『ウェイクアップ!!』

ライダーカプセル・・・ウェイクアップカプセルを起動させた後、孟は既に腰に巻いているベルトのバックル・・・クウェイクバックルの上部にカプセルを装填する。

『WAKE-UP!AWAKING!!』

「変身!!」

『パッカーン!』

パアアアァァァッ!!

孟がそう言いながらバックルの右側に付いてるレバーを押し込んだ瞬間、その音声と共にライダーカプセルのようなエネルギー体が孟を包み込む。

パキィィィンッ!!

『砕ける!目覚める!ウェイクアーーーップ!!』

『クウェイク・ザ・仮面ライダー!ヒャッハーーーーッ!!!』

次の瞬間、エネルギー体はひび割れると同時に中からダブルのような黄色いインナースーツにメテオフュージョンステイツの上半身アーマーを青くしたような装甲、腕にはSIC版のレンゲル・ジャックフォームのような巨大な腕アーマー、足にはタイバニのバーナビーのようなアーマーが付き、頭部は左右対称にしたチェイサーにダブルの角を着けたようなライダー・・・仮面ライダークウェイクに変身した孟が現れた。
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