ローグVSハードスマッシュ

暗部組織、『スクール』、アジト・・・

「クソ仕事、ご苦労……おまえらのおかげで『ピンセット』の情報が集まった……」

その頃、『アイテム』と同じ統括理事会直轄の暗部組織、『スクール』のアジトにて、リーダーであり、第二位のレベル5である金髪の少年、垣根帝督はそう他の三人のメンバーに言いながら、テーブルの上に広げられた複数のカード・・・佐天から奪ったものも含められた複数の『インディアンポーカー』に手を置く。

「現在の所在は不明なものの二週間後、霧ヶ丘女学院近くにある施設で実験に使用されるのは確定……どうやら今回のソースはまともらしい。」

垣根はそう言いながら一枚のインディアンポーカーを手に取る。

「この図面で行くのに必要な計算を」

『待ってください!その前にわたくしにあのフレンダ金髪を狩る機会をください!!』

垣根の言葉の最中、顔の下半分を機械的なマスクで覆った黒いツーサイドアップの少女、昨日の戦闘でフレンダに敗北した『スクール』のスナイパー、弓箭猟虎は立ち上がりながらそう進言する。

「おいおい……ギリギリ現場に滑り込んだ誉望のおかげで拾った命だろ。すぐに潰すな。」

「………」

どうやら彼女は柱にもたれかかっている機械的なゴーグルを頭に着けた少年、誉望万化によってあの大爆発のなか、救出されていたらしい。

「まぁ、ぶちギレて当然だろうが、おまえの顔は『学園都市』の再生医療で修復できる。だいいち追跡しようにも自慢の鼻がないんじゃ意味ねぇだろ?」

どうやら猟虎はフレンダに口の中に押し込まれた小型爆弾によって顔に大きな損傷を受けたようだ。

『インディアンポーカーと一緒に奪っておいた佐天黒毛の携帯から辿れば、居場所は割れます!それにフレンダクソリア充に対して、怒りの感情はありませんよ?彼女はあの極限状態のなか、わたくしと死合った。全力でわたくしと付き合ってくれた……これってもう友情ですよね!?』

昨日の戦闘を思い起こしながら、猟虎は若干歪んだ表情でそう言う。

「……そいつも同じ匂い・・・・がしたんだろ?なら、焦らなくてもすぐに遭える・・・さ……」

『そんな悠長なことなど言ってられません!!彼女だってきっとわたくしを待って』

「おい。」

『!?』

「後何秒、テメェに割けば良いんだ?」

『ぐっ・・・』

「うっぷ!?」

ダッ!!

垣根の殺気に当てられたのか、吐き気を催した誉望はすぐさま奥へと逃げるように駆け出す。

「……まだトラウマ治ってなかったんだ。」

「今は『ピンセット』が最優先だ。私怨は後にしろ。」

『ッ・・・』

「っと言いてぇところだが……」

『?』

「ん?」

「そんなに命散らせてぇんなら……どうだ?死ぬ覚悟で『新しい力』を身につけてからリベンジするってのは……」

垣根はそう言いながら懐からガンメタルのフルボトル・・・ガトリングフルボトルを取り出した。
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