ローグVSハードスマッシュ

デパート内、八階・・・

「ふぅー……ギリギリ勝利な訳よ………」

最近、『FUKIDASHI』で交流を始めた黒髪の少女、佐天涙子を『スクール』の下部組織から救出し、追跡してきた『スクール』のスナイパー、弓箭猟虎と満身創痍になりながらも死闘を繰り広げ、一瞬の隙を突いて小型爆弾を口の中に押し込み、割れた窓ガラスから蹴り落として、だめ押しのぬいぐるみ爆弾を投げつけて勝利をもぎ取ったフレンダはそう言う。

「結局……こういう無料タダ働きは……性に合わない……訳だけど……」フラッ

血を流し過ぎたのか、フレンダはそう言いながら前のめりに倒れそうになる。

ガシッ!!

「たくっ、何やってんだか……」

「?……村城……?」

が、デパート内で戦闘をしている片方はフレンダだと気付き、密かに素早く駆けつけた狩矢がそう言いながら受け止める。

「なんで……あんたが……ここに?」

「用を済ませて帰る途中、偶々、近くを通りかかったんだよ。最初は発火能力者が喧嘩を始めたのかと思ったがこいつを見て、おまえが喧嘩じゃなくて仕事とは関係ない戦闘をしていることに気付いた。」スッ

狩矢はそう言いながら、先程の外での爆発の中から降ってきたぬいぐるみの頭を取り出す。

「こんな個性的なぬいぐるみに爆弾を仕込む奴なんざ世界中、探してもおまえくらいだろ。」

「ッ……一言、余計な……訳よ……」

「まっ。とにかくおまえの友達が通報した警備員がじきに来る。厄介になる前にずらかるぞ。」スッ

狩矢はそう言いネビュラスチームガンを取り出す。

シュウウウ・・・

狩矢がトリガーを引いた瞬間、銃口から出てきた黒い煙が二人を包み込む。

次の瞬間、二人の姿がその場から消えた。





翌日、第七学区、とある病院、病室・・・

「……んっ……」

「よぉ……一晩、眠って気分はどうだ?」

「村城……?」

翌日、冥土帰しがいる病院の病室のベッドで目を覚ましたフレンダに対し、狩矢はそう話しかける。

「!?ここってまさか、病院!?」

「そりゃあ、あんだけ重傷を負ってりゃ病院に担ぎ込んで当たり前だろ……安心しろ。ここの医者とは知り合いでな。おまえの身元とかは外部に漏れないようにしてもらった……」

「そうなんだ……ありがとう……」

「どういたしまして。その知り合いの医者の見立てではおまえの怪我が完治するのに最低一週間はかかるらしいぞ。」

「一週間………」

「あぁ~、暇潰しの道具とか必要なもんがあるなら持ってくるぞ。」

「あ。じゃあ……」
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