ローグVSハードスマッシュ

一週間後・・・

「♪~」チクチク

「なんか楽しそうだな。フレンダ。」カチャカチャ

携帯の画面を見ながら、ニコニコしながらぬいぐるみを作っているフレンダに対し、狩矢はスクラッシュドライバーのメンテナンスをしながらそう言う。

「村城……結局、私の方が先輩な訳だから、『フレンダ先輩』って呼びなさいって言ってるでしょ。」チクチク

「年上ならまだしも同い年相手じゃ『先輩』とは言えねぇよ。」カチャカチャ

因みに狩矢とフレンダの年齢は16歳である。

「で、ぬいぐるみを作りながらやってるのは『FUKIDASHI』っていうSNSだったか。」カチャカチャ

「まぁね。最近、新しく知り合ったサバ缶を愛する同志って訳よ!!」チクチク

「あ~、はいはい。おまえの『サバ缶愛』はもう聞き飽きたから。っていうかさっきから思ってたが、携帯見ながら縫ってると指刺すぞ。」カチャカチャ

「新人の前でそんなヘマはしない訳って痛っ!?」

「言ってる側から……」

言った側から針を指に刺したフレンダに対し、狩矢はため息を吐きながらそう言う。

「ちょっと見せてみろ。簡単な手当てくらいしてやるから。」

「い、いいわよ!こんなの、唾でも付けとけばすぐに治るって訳よ!!」

「アホか。小さな傷でもちゃんと消毒しておかねぇと菌が入って困るのはおまえだぞ。」

「うっ・・・」

そうして狩矢は慣れた手つきで手当てする。

「・・・ありがとう・・・」

「どういたしまして。しかし、改めてみると凄い数だな。これ、全部、手作りなんだろ?」

「手作りの方が爆弾も仕込みやすい訳だからねぇ……結局、私の趣味になりつつある訳だけど……」

壁の棚に飾られたたくさんのぬいぐるみを見ながらそう言う狩矢に対し、フレンダは手当てされた指を見ながら、仄かに顔を赤らめながらそう言う。

「おまえ、殺し屋はやめて、ぬいぐるみ屋でも始めた方が良いんじゃね?」

「あ~、一応考えてはみる訳よ。」

「デザインは個性的だが。」

「一言多い訳よ!!」
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