好奇心、猫をも殺す

「おっと!」ガシィッ!!

対するベールはリモコンを持っていない方の手で狩矢の拳を受け止める。

「くっ……!!」

「おいおい。狩矢……そんな身体で俺を倒せるとでも本気で思ってるのかァ?」

「やるさ、あいつの大事な友人が頑張ってんだ。ここで頑張らない訳にはいかねぇっ!!」

ベールの挑発に狩矢はそう言いながら右足で蹴り上げようとする。

「おっと!!」ガッ!!

が、ベールはリモコンをしっかりと握りながら左腕で狩矢の右足を受け止める。

「面白い。ならその牙、俺に立ててみな!!」

「上等!!」

ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカッ!!

再度、そう挑発してくるベールに対し、狩矢はそう言いながら拳や蹴りを繰り出す。

対するベールは全て受け止めたり、いなしたりしていく。

ドカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカッ!!

「ククク……イイぞ。狩矢……もっと愉しませろ……!!」

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ……村城……」

「うっ……うぅ……」スッ

「「!?佐天(さん)!?」」

そんななか、アストレアG2から未だに流れてくる電流に苦しみながらも佐天がネビュラスチームガンを取り出し、戦っている狩矢とベールの方に向ける。

「!イイぞ、佐天涙子……撃て!!」

「ッ!?」

ズドォォォンッ!!

それに気付いたベールがそう言った瞬間、佐天のネビュラスチームガンからエネルギー弾が放たれる。

ズガァァァンッ!!

「ぐわっ!?」

『!?』

が、佐天が放ったエネルギー弾は狩矢ではなくベールの左手に命中し、リモコンが空中へと放り出される。

「!?」パシッ!!

放り出されたリモコンは弧を描くようにそのまま初春の手元へと落ちていく。

「!初春さん!!」

「はい!!」

初春はそう言いながら自分のパソコンと手にしたリモコンを有線で繋げる。

「ほぅ……ハッキングで救おうという腹か………面白い。見せてもらおうか。『守護神ゴールキーパー』の実力をな………」

『ライフルモード!!』

そんな初春の様子を見ながら、ベールはそう言いながら取り出したトランスチームガンとスチームブレードを合体させ、ライフルモードに変える。

「ッ!!」

カシャカシャッ!!

『スパイダー!!』

『スチームショット!!』

「そうらっ♪」

ズドドドドドドドドォォォンッ!!

次の瞬間、ベールは自身のスパイダーフルボトルを装填したトランスチームガンから八つのエネルギー弾を同時に放ってくる。

ズガガガガガガガガァンッ!!

「ぐっ!?」

「ククク……はぁぁぁっ!!」

八つのエネルギー弾を受け、数歩後退る狩矢に対し、ベールはそう言いながらトランスチームガンで斬りかかってくる。

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

対する狩矢はスチームブレードでベールのトランスチームガンを受け止める。

「フッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐっ!!」

が、ベールはすぐさま右足の回し蹴りを繰り出し、狩矢を蹴り飛ばす。

「くっ……村城……」

「ッ!!」

ベールに若干苦戦している狩矢をフレンダが歯痒い気持ちを抱きながら見ているなか、初春は佐天を助けようとハッキングを始める。

「うっ……うぅ……っ!!」

「ッ!ごめんなさい。佐天さん……!今、助けるから……!!」

そんななか、アストレアG2から流されてくる電流に苦しむ佐天の声に初春は涙ぐみながら、そう言いながら操作の手を早める。

「うわあぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁぁああぁあああぁぁああぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁぁああぁあぁっ!!?」

「ッ!?」

が、佐天が大声で上げる苦痛の声に初春の手が止まりそうになる。

ガキィィィンッ!!

「そうら。早くどうにかしないと佐天涙子が保たないぞ?」ガキキ…

「くっ……!!」ガキキ…

そんな初春に対し、ベールはライフルモードのトランスチームガンで狩矢のスチームブレードと鍔競り合いをしながらそう言って挑発する。

「ッ……佐天さんは私が助けます!だから……だから!そちらに集中してください!!」

対する初春はベールの挑発に乗りかかるも涙を堪えながら、そう言いながらハッキングを再開する。

「!初春………」

「健気だねぇっ!!」

ガキィィィンッ!!

ズバァァァンッ!!

「くっ!?」

そんな初春の様子にベールは嘲笑うようにそう言いながら狩矢のスチームブレードを弾き上げ、一閃を浴びせた。
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