好奇心、猫をも殺す

広場・・・

「はぁ……はぁ……」

「………」

その頃、ローグに変身した狩矢はベールに洗脳され、アストレアG2に変身した佐天とほぼ互角の戦いを繰り広げていた。

(くっ……この硬さ……防御力はローグとほぼ同等か……それにこの戦い方は……)

「おいおい……しっかりしてくれよ。狩矢……知り合いの小娘が相手とはいえ、これじゃあ面白くねぇ………」

佐天の動きに既視感を覚え、首を傾げる狩矢に対し、ベールはベンチに座りながらそう話しかけてくる。

「ッ……」

「ベール。佐天のこの戦い方は……」

「あ?あぁ、元々、妙にカンの良い戦闘センスを持っていたみたいだったからな。洗脳した後、俺好みに調整してやったんだよ。見た目によらず、不良少女だったのかどうかは知らないが、最近の若者は怖いねぇ……」

狩矢からの問いにベールがそう答えるなか、佐天は再びプロトGNソードで斬りかかってくる。

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

狩矢はスチームブレードで受け止める。

「………」

「!?」

が、佐天はすぐさま時計回りに回転しながら背後に回り、斬りかかってくる。

「くっ!!」

対する狩矢は前転でかわしながら距離を取り、

「はっ!!」

ズガガガガガガガァンッ!!

「くっ!!」

振り向き様にネビュラスチームガンで七弾のエネルギー弾を食らわせる。

「くっ……」ガクッ!!

「………」

食らった佐天が片膝を着くなか、狩矢はネビュラスチームガンとスチームブレードを構え直す。

「……そろそろ角成りといくか……」パチンッ!!

『TRANS-AM』

カァァァ・・・

「うっ!?……うぅ……っ!?」

「「!?」」

そんななか、ベールがそう言いながら指パッチンした瞬間、そう言う音声と共に佐天を包むアストレアG2の装甲が赤く発光し始め、佐天自身も苦しみ始める。

「なんだ?装甲が赤く発光し始めている……?」

「佐天さん!!どうかしましたの!?」

そんな佐天の様子を見ながら狩矢が首を傾げるなか、黒子はそう佐天に呼び掛ける。

「ククク……さぁ、第二ラウンドといこうか……」

「うぅ……」

ベールがそう言うなか、佐天は苦しみながらも立ち上がる。

「やれ!!佐天涙子!!」

「あ゛ぁーーーっ!!!」

ドンッ!!

「なっ!?」

ベールがそう言った瞬間、佐天は叫びながら先程よりも速いスピードで肉簿し、

ドカァァァンッ!!

「ぐはっ!?」

同じように先程よりも上がっているパワーで狩矢のローグの防御力を貫通し、ダメージを与えながら吹き飛ばす。

「くっ……」

(どういうことだ?急にスピードとパワーが上がっただと)

「あ゛ぁーーーっ!!」

「!?」

ドカカカカカカカカカカカカカカカッ!!

佐天のスピードとパワーが上がっていることに狩矢が首を傾げるなか、佐天はまるで獣のような雄叫びを上げながら怒濤のラッシュを食らわせてくる。

ドカァァァンッ!!

「ぐはっ!?」

次の瞬間、狩矢は壁に叩きつけられる。

「あ゛ぁーーーっ!!」

「ぐっ……クソが……」

佐天が雄叫びを上げながら追い討ちを掛けようとしたその時、

ヒュッ!!・・・ドカァァァンッ!!

「あっ!?」

「「!?」」

「あ?」

何処からか投げつけられた小型爆弾が爆発し、佐天を退ける。

「今の小型爆弾は」

「結局、間に合った訳よ……」

「!?フレンダ!!絹旗に浜面も!!」

「初春!?お姉様!?」

次の瞬間、浜面の運転で駆けつけたフレンダ達五人がその場に現れる。

「ほぅ……第三位、超電磁砲のお出ましか……」

「白井さん!!」

「黒子!!大丈夫!?」

「初春……お姉様……」

「おまえら……なんで……」

「あんたらを助けにきたに決まってる訳よ!!」

「うっ!?……うぅ……」

ポタッ!!・・・ポタ・・・ッ!!

『!?』

そんななか、佐天が装着しているアストレアG2のスーツの隙間から僅かながらに赤い液体が流れ始めた。
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