好奇心、猫をも殺す

街中・・・

「~♪」

美琴達が『仮面ライダービルド』について、調べていた頃、佐天は鼻唄を歌いながら街中を散策していた。

「あれ?この路地裏……」

が、ある路地裏の前に通りかがった瞬間、そう言いながら立ち止まる。

「………」

何を思ったのか、佐天は言い表せない謎の好奇心に突き動かされるかのようにその路地裏の中に入っていく。

少しすると、行き止まりに突き当たる。

「やっぱり、この道……あの夢の中で少しだけ見たのと同じ。ということは……」

佐天はそう言いながら右側の壁に手を置く。

ガコンッ!!ゴゴゴ・・・ッ!!

すると次の瞬間、何かのスィッチが押ささったのか、行き止まりの前の地面が扉のように開き、地下への階段が現れる。

「わっ。何かSF映画みたい……」

佐天はそう言いながら現れた階段を覗きこむ。

地下だからか奥は暗く、不気味さを感じさせる。

「……(ゴクッ!!)……」

その不気味さに佐天は一瞬だけ唾を呑む。

が、好奇心の方が勝ったのか、佐天は携帯のライトを手におずおずと階段を下っていく。

携帯のライトを頼りに暗い階段を歩いて暫くした後、まるでSF映画に出てくる秘密基地のような廊下に出る。

「これは……特ダネになりそう……!!」

佐天はそう言いながら、辺りを警戒しながら探索を続ける。

「ん?あれは……」

そんななか、佐天は机の上に置かれた、恐らく開発途中であろう機械的な短剣を見つける。

「なんかこれ……ガンダムに出てくるプロトGNソードみたいな……」

佐天はそう言いながら短剣を手に取り、眺める。

「………」





数分後・・・

「これでよし!ボタン一つでビーム刃も展開できる、私特製プロトGNソード!!完成!!」

そう言いながら掲げる佐天の手には先程より小綺麗になった短剣・・・プロトGNソードが握られている。

「うんうん!我ながら良い感じ!!って私、こういう機械系、得意な方じゃなかったけど……学校でのこともそうだけど、やっぱりあの夢のお陰かな……」

プロトGNソードの出来映えに満足しながら、佐天はそう言って首を傾げながらその場にあったもので作ったホルダーに仕舞い、右腰に装着する。

ザッ・・・ザッ・・・

「!?誰か来る!!」

そんななか、何処からか足音が聞こえ、佐天はそう言いながら物影に隠れる。

『『・・・』』

次の瞬間、足音が聞こえてきた方から銃剣型のセーフガードライフルで武装したアンドロイドが二体、現れる。

「!?あれは確か……」

部屋を巡回する二体のアンドロイドを物影から見ながら、佐天は夢で得た知識を省みる。

「……ガーディアン……」カタッ!!

『『!』』

(ヤバッ!?)

佐天がそう呟きながらうっかり立ててしまった物音を感知したガーディアンはセーフガードライフルを構えながら、物影に隠れている佐天の方へと歩み寄ってくる。

(どうしよう!?どうしよう!?)

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

歩み寄ってくるガーディアンに佐天が内心で焦るなか、ガーディアン達は銃弾を放ってくる。

「うわぁっ!?」

対する佐天はなんとかかわしながらガーディアン達から距離を取る。

『『・・・』』

「ッ……まさか、自作のプロトGNソードを実戦で使うことになるなんてね……」

セーフガードライフルを構え直すガーディアン二体に対し、佐天はそう言いながらプロトGNソードを引き抜いて構える。

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

次の瞬間、ガーディアン達は銃弾を放ってくる。

「ッ!!はぁっ!!」

ズバァァァンッ!!

対する佐天は弾道を見切りながら、かわしながら迫り、プロトGNソードで一閃。二体のガーディアンの首を斬り捨てる。

ドッカァァァンッ!!

「ふぅー……」

(勝つことはできたけど私……こんな戦い、したことないのに……)

二体のガーディアンを倒した後、佐天は自分に起きている異変を自覚し始める。

(……やっぱり、あの夢……)

「夢にしてはリアルだし、夢で見た場所やものが実在している………ということは」

ドカッ!!

「あの、ゆめは……ほん、とうに……あっ、た……こ、と」

ドサッ!!

「ククク……そっちから出向いてくれるとは手間が省ける……しかし、量産型とはいえ、ガーディアン二体を瞬殺するとはな……」

佐天の隙を突き、背後から気絶させたベールはそう言いながら佐天を見下ろす。

「ククク……何故、このアルドノスの秘密基地のことを知り、潜入できたのかは知らないが……こいつは思っていた以上にイイ駒になりそうだ……」
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