好奇心、猫をも殺す
風紀委員、第177支部・・・
「ーーーということがありまして、信じられないくらい、つい昨日の佐天さんとは違うんです。しかも、本人はそのことを全く自覚していないみたいで……」
そんなことがあった日の放課後、風紀委員の仕事で佐天と別れた初春は同僚である黒子と偶々、顔を出していた美琴の二人に今日、感じた佐天の変化について、説明してからそう相談する。
「それは確かに妙ね。隠れて勉強や特訓(?)とかしていたっていうにも無理があると思う……」
「ですわね。『幻想御手 事件』のこともありますし、また変なものに手を出したんじゃ……」
「私もその可能性を疑って帰り道、それとなく聞いてみたんですが……」
初春はそう言いながら佐天と別れる前の会話を思い起こす。
回想・・・
「~♪」
「佐天さん、今日は随分と機嫌が良いですね。学校でもスラスラと問題を解いてましたし。理科の時なんてあれ、高校物理の問題ですよ。」
「いやぁ~、実は楽しい夢が見れて、その夢が忘れられないと言いますか……勉強は不思議と見たらスラスラァーっと浮かんできたんだよねぇ~♪」
「そうですか………」
回想終了、風紀委員、第177支部・・・
「ーーーということらしいんですが……」
「夢、ねぇ……」
「?お姉さま?」
「ねぇ、『インディアンポーカー』が関係しているんじゃないかしら。」
「『インディアンポーカー』……少し前まで話題になっていた『他人の夢を見られる』カードですね。」
「前に佐天さんから聞いたんだけど、ランクによってはその夢の提供者の技術も習得できるカードもあるって。佐天さんの身体能力や学力が急激に上がったのはそのインディアンポーカーが影響しているからじゃないかしら。」
「確かに。ついこの前もその『インディアンポーカー』で学んだ知識を使って『一年中、桜を咲かせる薬』を作ったつもりが『桜を窒素化合物系の火薬庫に変える薬』を作ってしまい、公園全体を巻き込む大規模火災を起こしてしまった事件がありましたから、その可能性は大いにありますの。」
「佐天さんが使ったと仮定した場合、佐天さんも学者系のインディアンポーカーで夢を見たのかもしれませんけど……」
「けど、何ですの?」
「今の佐天さんは学力だけでなく身体能力も上がっています。大抵は研究室とかに引きこもりがちな学者が提供した夢で学力はともかく、身体能力まで上がるとは……」
「学者は学者でもただの学者じゃないってことね。言い出してアレだけど、学者系の夢って佐天さんが好んで見そうなジャンルじゃないし………」
「ですが、インディアンポーカーの線は調べてみる必要はありそうですわね。初春。これまでに流通したインディアンポーカーについて、調べることは可能ですの?」
「インディアンポーカーのユーザー同士で情報をやりとりするサイトがまだ残ってますから、そのサイトから調べることは可能かと。」
「なら、そのサイトから学力と身体能力、両方に影響を与え、且つ佐天が興味を抱きそうなものを調べていくしかなさそうですわね。」
「わかりました。」
そうして初春はパソコンを操作し、サイトにアクセスする。
「それじゃあ、『学者』、『高い身体能力』で検索してみますね。」
初春はキーワードを打ち込み、検索をかける。
ピコンッ!!
「出ました!!ってこれって……」
「!?『仮面ライダー』……」
「何ですの?これ、特撮ヒーローもののタイトルか何かですの?」
一件だけHitしたインディアンポーカーのタイトルを見て、初春と美琴が思わず反応するなか、黒子は首を傾げながら怪訝な表情でそう言う。
三人が閲覧しているパソコン画面には昨夜、佐天が使用した赤と青の二色のインディアンポーカーが映し出されていて、タイトルはこう描かれていた。
・・・『仮面ライダービルド』と・・・
「ーーーということがありまして、信じられないくらい、つい昨日の佐天さんとは違うんです。しかも、本人はそのことを全く自覚していないみたいで……」
そんなことがあった日の放課後、風紀委員の仕事で佐天と別れた初春は同僚である黒子と偶々、顔を出していた美琴の二人に今日、感じた佐天の変化について、説明してからそう相談する。
「それは確かに妙ね。隠れて勉強や特訓(?)とかしていたっていうにも無理があると思う……」
「ですわね。『
「私もその可能性を疑って帰り道、それとなく聞いてみたんですが……」
初春はそう言いながら佐天と別れる前の会話を思い起こす。
回想・・・
「~♪」
「佐天さん、今日は随分と機嫌が良いですね。学校でもスラスラと問題を解いてましたし。理科の時なんてあれ、高校物理の問題ですよ。」
「いやぁ~、実は楽しい夢が見れて、その夢が忘れられないと言いますか……勉強は不思議と見たらスラスラァーっと浮かんできたんだよねぇ~♪」
「そうですか………」
回想終了、風紀委員、第177支部・・・
「ーーーということらしいんですが……」
「夢、ねぇ……」
「?お姉さま?」
「ねぇ、『インディアンポーカー』が関係しているんじゃないかしら。」
「『インディアンポーカー』……少し前まで話題になっていた『他人の夢を見られる』カードですね。」
「前に佐天さんから聞いたんだけど、ランクによってはその夢の提供者の技術も習得できるカードもあるって。佐天さんの身体能力や学力が急激に上がったのはそのインディアンポーカーが影響しているからじゃないかしら。」
「確かに。ついこの前もその『インディアンポーカー』で学んだ知識を使って『一年中、桜を咲かせる薬』を作ったつもりが『桜を窒素化合物系の火薬庫に変える薬』を作ってしまい、公園全体を巻き込む大規模火災を起こしてしまった事件がありましたから、その可能性は大いにありますの。」
「佐天さんが使ったと仮定した場合、佐天さんも学者系のインディアンポーカーで夢を見たのかもしれませんけど……」
「けど、何ですの?」
「今の佐天さんは学力だけでなく身体能力も上がっています。大抵は研究室とかに引きこもりがちな学者が提供した夢で学力はともかく、身体能力まで上がるとは……」
「学者は学者でもただの学者じゃないってことね。言い出してアレだけど、学者系の夢って佐天さんが好んで見そうなジャンルじゃないし………」
「ですが、インディアンポーカーの線は調べてみる必要はありそうですわね。初春。これまでに流通したインディアンポーカーについて、調べることは可能ですの?」
「インディアンポーカーのユーザー同士で情報をやりとりするサイトがまだ残ってますから、そのサイトから調べることは可能かと。」
「なら、そのサイトから学力と身体能力、両方に影響を与え、且つ佐天が興味を抱きそうなものを調べていくしかなさそうですわね。」
「わかりました。」
そうして初春はパソコンを操作し、サイトにアクセスする。
「それじゃあ、『学者』、『高い身体能力』で検索してみますね。」
初春はキーワードを打ち込み、検索をかける。
ピコンッ!!
「出ました!!ってこれって……」
「!?『仮面ライダー』……」
「何ですの?これ、特撮ヒーローもののタイトルか何かですの?」
一件だけHitしたインディアンポーカーのタイトルを見て、初春と美琴が思わず反応するなか、黒子は首を傾げながら怪訝な表情でそう言う。
三人が閲覧しているパソコン画面には昨夜、佐天が使用した赤と青の二色のインディアンポーカーが映し出されていて、タイトルはこう描かれていた。
・・・『仮面ライダービルド』と・・・