好奇心、猫をも殺す

「オハヨー。」

「おはようございます。佐天さん。昨日は眠れましたか?」

「ん~……眠れたと言えば眠れたけど、ちょっとだけ疲れたかな。」

「?」

佐天と初春はそう話しながら学校に向かって歩いていく。

「ニャー。」

「あ!見て!初春!!猫だよ!猫!!」

「首輪が着いているってことは何処かから逃げ出した飼い猫でしょうか?」

そんななか、一匹の三毛猫が二人の前を通り過ぎながら道路を横断しようとする。

ブオオオオオッ!!

そんななか、一台の車が前の車を追い越しながら三毛猫の方に走ってくる。

「ニャッ!?」

「!?危ないッ!?」

「………」

次の瞬間、佐天は中学生とは思えない速さで猫の側に駆け寄り、素早く抱き上げてから初春の近くまで戻ってきた。

「え?え?」

「あ、危なかったぁ~。大丈夫?猫ちゃん。」

「ニャー♪」

「スフィンクスゥーッ!!大丈夫なんだよ!?」

一部始終を見た初春が困惑するなか、三毛猫、スフィンクスの飼い主であろう銀髪の白いシスターが駆け寄ってくる。

「ありがとう!!あなたはスフィンクスの命の恩人なんだよ!!」

「どういたしまして。この子、あなたの飼い猫?」

「うん!!スフィンクスって言うんだよ!!ほら、スフィンクス。お姉さんにありがとうって。」

「ニャー♪」

グゥ~・・・

そんななか、シスターのお腹が鳴る。

「むぅ……朝ご飯、パンだけだったからお腹が空いたんだよ……」

「あ。私、お弁当あるからあげるね。」

「良いの!?」

「うん。はい。ってもうこんな時間!?ごめんね!!私達、これから学校があるからもう行くね!!行こう!!初春!!」

「………」

「初春!!」

「はっ!?は、はい!!」

「またねぇ~♪」

そうして二人はシスターと別れ、学校へと急いだ。
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