デート?

ドリンクバー・・・

「なぁ。聞いても良いか?」

「なんだ?俺に答えられる範囲なら答える。」

「……さっき、御坂が言っていたことは本当なのか?」

その頃、ドリンクバーで当麻は真剣な表情でそう狩矢に尋ねる。

「……言い訳する気はねぇが、俺と浜面が配属される前、フレンダ達は統括理事会を通じて研究所に警備として雇われただけだ。しかも、その実験の実態を知ったのは中止になった後。二万人のクローンを生け贄にしたイカれた実験だとは知らなかった。」

「!?……そうだったのか……」

「……止める側としてあの実験に関わったおまえもわかってるだろ。この街の裏側ってやつをーーー」

狩矢はそう言いながら軽くではあるが説明した。

自分達、『アイテム』も含めた暗部のこと。

そのメンバーの中には絹旗や滝壺のような裏の実験の被験者にされた者も多かれ少なかれいるということ。

そして、暗部に入った者達は今を生きるために学園都市の裏の仕事を請け負っていることを。

「………」

「まっ。俺らのような人間を否定したきゃすれば良い。だが、この世の中、綺麗事じゃ通らねぇこともある。」

「……別に否定する訳じゃねぇ。ただ、不器用に思えただけだ。」

「!?」

真剣な表情でそう言う当麻の言葉に狩矢は意外そうな表情を浮かべる。

「フッ……『不器用』ねぇ……確かにそうかもしれないな。実際、不器用故に真っ当な社会から外れちまって暗部入りした奴もいる……」

「………」

「そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺は村城狩矢。フレンダのコーディネートでこんな格好しているが無能力者の科学者だ。」

「俺は上条当麻だ。」

不敵な笑みを浮かべながらそう自己紹介する狩矢に対し、当麻は毅然とした態度でそう名乗った。
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