ローグVSハードスマッシュ

『スクール』、アジト・・・

「そうか……クソ報告、ご苦労………」

ピッ!!

「……木原博士。あんたが寄越したあのフルボトルってアイテム、あんま役に立たなかったみたいだな……猟虎、やられたぜ?」

「う~ん……使用すれば、そのボトルの成分で無能力者でも能力者と同等の“力”は手に入る筈なんだけどねぇ……流石に君と同じ超能力者相手には厳しかったかな?」

携帯で下部組織から猟虎の敗北の報せを受けた垣根に対し、彼経由でガトリングフルボトルを渡した木原幻生は顎に手を当てながらそう言う。

「ところがどっこい、猟虎を仕留めたのは第四位じゃなくて最近、『アイテム』に配属されてきたクソ新人らしいぜ。それも無能力者。情けねぇ………」

「ほぅ……それは興味深いねぇ。もしかしたら、とてつもない能力が眠ってるかもしれない……」

「とにかく、これであんたのクソ実験には付き合ってやった。約束は守れよ?」

「わかってるさ。僕に協力してもらう代わりに君達のやろうとしていることに僕も協力する……約束はきちんと果たすさ……」

「へっ……」

そうして垣根はその場を後にする。

「さて、まだ『学園都市』内ではあまり存在が知られていないハードスマッシュを撃破した無能力者……君はどう診るかね?ベール君。」

「十中八九、俺と同じ所から来た奴だろうなぁ。もしかすると、俺の知り合いかもしれねぇ……」

垣根が去っていった後、静かにそう尋ねる幻生にそう答えながら、全体的にワインレッドのスーツに背中には暗い銀色の煙突のようなアーマーが四つ付き、胸にも紫の蜘蛛を模したマークが大きく付いた暗い銀色のアーマーがあり、目の部分は紫の蜘蛛を模したゴーグルで覆った、一見、ライダーのようにも見える怪人が音もなく現れる。

「ほぅ……じゃあ、その無能力者の件は君に任せて良いかな?」

「あぁ。この『シャドウベール』に一旦任せてくれ。木原博士。」

「フフ……期待しているよ。」

自信ありげにそう言う蜘蛛怪人、シャドウベールにそう言いながら幻生もその場を後にする。

「ククク……再会の時を楽しみにしているよ。狩矢………」

その場に一人残ったベールは不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
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