ファーストコンタクト

「ここか……」

人口230万人の殆んどが学生である大規模な超能力者育成機関である街、『学園都市』にて、黒髪に白衣を羽織った一人の少年がそう言いながらとある喫茶店に入る。

「確か、この喫茶店に今日からの仕事仲間が」

「麦野な訳よ!!」

「お姉様ですの!!」

「ん?」

見てみると、帽子を被った金髪の少女と茶髪のツインテールに制服姿の少女が言い争いをしていた。

「………」

少年はスルーしてテーブル席に座る。

「すいません。ホットコーヒーを一つ。」

「畏まりました。少々、お待ちくださいませ。」

「ねぇ。ちょっと黒子……」

「おい。フレンダ……」

「………」←ホットコーヒーを堪能中

「確かに!お姉様は下着はキャラ物で日用品はファンシーグッズというお子様趣味ですけれど!!常盤台の名に恥じない実力を持っておりますの!!!」

「ブッ!?」

「………」ピキッ!!

「麦野だって!それ、誰に見せんだよ?って言いたくなるくらい、エロエロな下着を隠し持っているっていうイッタぁ~いところあるけど!!能力を使わせたらマジ無敵な訳よ!!!」

「ゴホゴホッ!?」

「………」ピキキッ!!

「結局!そんなまな板じゃ麦野みたいな貫禄は出ないって訳よ!!」ムギュッ!!

「!?」

金髪の少女、フレンダ・セイヴェルンはそう言いながら茶髪のふわふわヘアーの女性、麦野沈利の胸を背後から掴みあげる。

「大きさでしか語れないとはお下品な!!」ガバッ!!

「!?」

対するツインテールの少女、白井黒子は対抗して茶髪のショートヘアで同じ制服姿の少女、御坂美琴に背後から両腕を胸の辺りに回しながら抱きつく。

(おいおい……)

「そもそも!将来性を考えれば、お姉様の方が上」

「「何処触ってんだ!!ごらあああぁぁぁーーーっ!!!」」

バリイイイィィィンッ!!!




「たくっ!!おかげであの店にもう行けなくなっちまったじゃねぇか!!」

「うぅ……待ってよ。麦野ぉ~(泣)」たんこぶ

あの後、ファミレスから出た後、そう言いながら歩く麦野を頭にたんこぶを作ったフレンダがそう言いながら追いかける。

「結局、あの店で合流する予定だった新入りはこねぇし。最悪過ぎんぞ。」

「あんな状況で声かけれるか。」

「「!?」」

麦野が苛立ちを露にしながらそう言うなか、二人の背後から声が聞こえる。

「あぁー、あんたらが『アイテム』のリーダーで第四位の『原子崩し』、麦野沈利と構成員のフレンダ・セイヴェルンか……今日から配属になった村城狩矢だ。以後、よろしく……」

先程のファミレスでのやり取りを見ていた白衣の少年、村城狩矢は面倒臭そうにそう自己紹介した。
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